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議会報告 01 川崎市政

自律型致死兵器システム(LAWS)2019/09/18    

完全自立型致死性兵器(LAWS)、即ち人工知能(AI)が自らの判断で人名を奪うという恐ろしき兵器について、日本としては「開発をしない」という立場をとっていますが、「自分たちは開発をしません」と宣言したところで、むろん何の解決策にもなりません。

「憲法9条があるから戦争はしない」と宣言したところで、相手が攻撃を仕掛けてくれば防衛戦争で応じなければならないのと同様です。

日本を攻撃するかしないかは相手側が決めることです。

LAWSについては、過日も国連で協議がなされましたが、例によって各国の思惑が重なり合って全面禁止の方向性は打ち出せませんでした。

そうしたなか9月14日、サウジアラビアの石油施設にドローン10機による爆撃がなされました。

今回の攻撃で、ドローン攻撃に対する脆弱性、及び最新の低コスト技術で既存の防空システムを突破することが可能であることが示されました。

ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によれば、サウジは世界有数の武器輸入国で、その大部分は米国からのものだといいます。
(昨年の武器購入額は約7兆円)

サウジは最新のレーダー、F15戦闘機、ミサイルパトリオットなどの防空システムも整備しています。

しかしながら、14日の国営石油会社サウジ・アラムコとクライス油田に対する攻撃は、OPECの中心となっているサウジの石油生産に大きな打撃を与え、日量570万バレル相当の生産(サウジの1日の生産量の半分)に影響が出て、石油価格が瞬時に高騰しました。

今日現在に至って石油価格はいったん落ち着いたものの、たった10機の空爆ドローンによる攻撃によって世界経済を瞬時に、そして容易に混乱させることができたわけです。

更に脅威なのは、AIロボットや空爆ドローンに対する完璧なディフェンスは、技術的にも経済的にもほとんど不可能に近いことです。

とりわけハイブリット戦争に突入すると、対テロ作戦(カウンターテロリズム)はほとんど無力になります。

そのディフェンスのためには、攻撃の数百倍、数千倍以上の予算が必要となりますが、それを注ぎ込んだととしても完全防御は困難でしょう。

たった10機のドローンでサウジの石油施設が簡単に破壊されましたので、今後も世界の主要な生産拠点、あるいは原発やダムなどのインフラ施設がターゲットにされる可能性が高くなりました。

とはいえ、攻撃を仕掛けた国家が特定されると全面戦争になってしまうので、非国家のハイブリッド組織による攪乱戦法が主力となるのかもしれません。

それができるのは、中国、イラン、北朝鮮などの独裁国家です。(民主国家では不可能)

さて、我が国のインフラ施設のテロに対する脆弱性は周知のとおりです。

例えば、私の選挙区である川崎市多摩区には浄水施設があります。

どこにでもある金網のフェンスに囲まれているだけで、むろんテロを想定した警備員などゼロです。

そこに、国内に潜伏している工作員が、たった1機のドローンを飛ばして毒物を散布したらどうなるでしょうか。

水道水を飲み毒物を摂取して死に至る人もでるでしょうし、たちまちにして市内は大パニックに陥ることでしょう。

テロを仕掛けた側からみれば、低コストで最大の効果を引き出すことができるわけです。

むろん、こうしたことを想定すればキリがありません。

だからといって、現在のように無防備のままでいるわけにはいきません。

国はもちろんのこと地方自治体においても、安全保障について特に「対テロ」について真剣に考え、予算を伴う具体的な措置を講じていかなければならない時代です。

「でもぅ、そんなことを言ってたらプライマリー・バランスがぁ〜」と、真顔で言ってきそうな職員や議員が居そうで怖い。

我が国においては、LAWSよりもプライマリー・バランスのほうがもっと脅威なのかもしれません。