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議会報告 02 政治・経済

実質賃金と就業者数の増減率は相関しない2019/09/05    

今日は、久々に実質賃金について取り上げます。

実質賃金とは、物価変動の影響を除いた賃金のこと。

例えば、額面の給料が上がっても、その上昇率が物価の上昇率を下回ってしまうと実質賃金は低下することになります。

逆に、額面の給料が下がっても、その下落率が物価の下落率を下回ってしまうと実質賃金は上昇することになります。

このことは統計上やむを得ない欠点で、現在のようにデフレによって物価が下落してしまうと、額面上の給与が上昇しなくとも実質賃金が上昇してしまうことがあります。

さてその上で、先月(8月)26日に発表された6月の実質賃金「確定値」をみますと、速報値の「-0.9%」から下方修正され「-1.1%」となりました。

インフレ率がゼロ%にあるなかでの下落が続いており、まさに深刻な経済情勢にあります。

このように言うと必ずでてくる批判が、「アベノミクス効果で就業者数が増えているのだから、その分、実質賃金が下がって当然だろ」というものです。

まず、ツッコミを入れておきますが、就業者数が増えて低下するのは名目賃金の平均値であって、実質賃金とは関係ありません。

詳しくは述べませんが、実質賃金とは一人あたりのモノやサービスの生産量(おカネではない)ですので。

なお、私どもが問題視しているのは実質賃金とインフレ率が共に上昇しないことです。

それに、たしかに女性や高齢者などの就業者が増えましたが、その多くがパートやアルバイトなど低賃金の非正規雇用です。

それでも「非正規であろうが就業者数は増えているじゃねえか!」と言われそうなので、下のグラフをご覧ください。

グラフは、アベノミクス以降の「実質賃金」と「就業者数」の増減率を表しています。

ご覧のとおり、就業者の増減率と実質賃金のそれには相関性はありません。

もしも就業者数の増加が実質賃金の下落の要因だとすれば、必ずグラフは逆相関する(限りなく「−1.0」に近くなる)はずです。

しかも、よくみてください。

2014年の実質賃金は「−3.4%」と大幅に下落しましたが、就業者数の増減率は「0.71%」程度で、それほど増えていません。

一方、インフレ率の下落に伴って実質賃金が上昇した2016年の就業者数は「1.0%」で、少なくとも2014年の「0.71%」に比べて増えています。

あれっ?…就業者数が増えたら実質賃金は下がるんじゃなかったの?…

批判するなら、まずは数字的な根拠を示してからにしてほしい。