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議会報告 01 川崎市政

税収はストックからでなく、なるべくフローから…2019/08/30    

主流派経済学(新古典派経済学)のマクロ経済政策は「中央銀行による金融政策」を根本としており、収支の均衡を崩す「政府による財政政策」は邪道だとしています。

とはいえ、これまで日米欧など主要先進国の経済政策は概ね「主流派経済学」の理論に基づくものでしたが、結果、我が国は20年間にも及ぶデフレ経済(需要不足経済)が続いて小国化し、欧米では金融政策の限界から、例えばサブプライム・ローンやリーマン・ショック、そしてユーロ危機などにみられるように金融市場は常に不安定化しバブルの発生と崩壊を繰り返してきました。

即ち、世界的にみても、財政支出の拡大を封じてきた主流派経済学に基づく経済政策は必ずしもうまくいっているとは言い難い。

昨今、改めて顕著となっている欧米各国の長期金利(国債金利)の低下も、まさに財政政策の不在がもたらした総需要不足(資金需要の不足)に拠るものです。

もはや主流派経済学に基づく金融政策重視の経済政策は限界に達しているといっても過言ではないと存じます。

我が国では中央政府のみならず、地方政府たる自治体行政までもが過度な緊縮黒字化財政を基調としており、そのことがデフレ経済を一層深刻化させています。

川崎市などはその典型で、下のグラフのとおり2005年以降、凄まじい勢いでプライマリー・バランス(PB)の黒字化を続けています。

さて、日本では国税6割・地方税4割の比率で国民から税が徴収されていますが、国全体の税配分では国3割・地方7割という比率になります。

ただ、必ずしも税収は公共サービスを行うための財源ではなく、政府は税収だけを資金調達の手段としているわけではありませんが、税の徴収と分配だけをみますと税収の約7割は地方政府(地方自治体)を通じて予算執行されています。

つまりは、すべての地方自治体が財政を引き締めることの経済への影響は小さくありません。

昨今、国からの税源移譲を執拗に求める各自治体ですが、結局は緊縮黒字化するなら意味ないじゃん、ってな感じです。

政治の目的は、経世済民です。

経世済民とは、国民の安全を護り、国民を豊かにすることです。

ここでいう「安全」とは国防のみならず、治安、防災、医療、教育、エネルギーの確保、あるいは言論の自由などなど、国民が生活する上で必要となる各種の生活安全保障を含みます。

そして「豊かにする」とは、即ち所得(一人あたりのGDP)を増やすことに他なりません。

よって、川崎市政が取り組むべき基本施策は、なによりも市民一人あたりの市内GDPの拡大です。

そして税収はあくまでも、拡大する「所得(GDP)」というフローから徴収することを基礎とすべきです。

固定資産税や都市計画税などフローではないストック資産からの徴収に依存するような税制は極めて不健全です。

利益追求を目的とした法人のストック資産ならともかく、利益が生み出されるわけではない居住等に関する資産に税(固定資産税など)を課すのは基本的に共産主義的な思想です。

例えば、本市の市民税収入内訳を10年前と比較してみますと、下のグラフのとおり固定資産税の比率が増え、所得や利益などのフローから徴収する市民税(個人・法人)の比率が僅かながらに減っています。

むろん川崎駅や武蔵小杉駅あたりでタワーマンション住宅が増えたことに伴う影響もありますが、やはり個人はもちろんのこと、企業に対しても、できうるかぎり拡大する所得(利益)からの市税徴収を基本とすべきではないでしょうか。

地方自治体は、域内経済の需給バランスをマイルドなインフレ状態で維持するように財政政策を採ることで市民及び企業の所得(利益)を拡大する。

その上で、GDP(所得)というフローから税を徴収するのが地方行政の王道だと思います。

緊縮財政(PB黒字化)を常のものとし、市内GDP(フロー)を拡大させることなく、利益を産まぬストック資産からの徴収比率を増やすのは、明らかに経世済民に反します。