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議会報告 02 政治・経済

日銀ばかりに政策を押し付け、自らは何もしない政府2019/08/08    

日本経済新聞は「円高や株安などマーケットに混乱が広がるなか、日銀の出方にも徐々に関心が集まってきた」として、あいかわらず日銀に“次の一手となる金融政策”を求めているようですが、株式市場等に何らかの影響を与えるか否かはいざ知らず、デフレ脱却という一点においては、もはや日銀にできることはほとんどありません。

デフレ期における金融政策というのは、いわば紐みたいなもので、「引く」ことはできても「押す」ことはできません。

つまり「引く」ことによって資金需要を引き締めることはできても、「押す」ことによって資金需要を拡大することはできないのです。

民間銀行の貸出が増えなければ、世に出回るおカネの量は増えないわけですが、どんなに金利が引き下げられたところで、需要が拡大(モノやサービスの購入量が拡大)するという見込みがたたない以上、企業は銀行からおカネなど借りない。

つまり、企業が銀行からおカネを借りるから景気が良くなるわけではありません。

景気が良くなる(=需要が拡大する)から、企業は銀行からおカネを借りるのです。

第二次安倍政権が発足してからというもの、ただただ日銀はひたすらに民間銀行が保有している国債を購入することで、民間銀行が日銀にもっている日銀当座預金残高を増やしてきました。

日銀当座預金残高を増やすことにより民間銀行の貸出を増やしたい、と考えたからです。

では、日銀当座預金はどのくらい増えたのでしょうか?

グラフにしましたので、ご覧ください。

第二次安倍政権が発足する以前の日銀当座預金残高は約50兆円でしたので、約350兆円ぐらい増えたわけです。

でも、前述の理由から銀行貸出は増えない。

私たち日本国民や企業は、民間銀行のように日銀に「当座預金」を持つことはできませんが、民間銀行のほかに日銀に「当座預金」をもっている経済主体があります。

それが「政府」です。

実は、政府が国債を発行する際、この民間銀行が日銀に持っている当座預金を借りています。

よって政府の国債発行は、国民による預貯金額の制約を一切受けません。

さて、政府が緊縮財政によって国債発行量を極端に押さえているがために、日銀当座預金がここまで膨らみつづけ、なお世の中におカネが出回らいというデフレ経済に陥っています。

政府は速やかに国債を発行し、即ち歳出を拡大して需要を創造するべきです。

そのことにより、「これからは投資すれば儲かるぞ」と判断した企業が、民間銀行からおカネを借りはじめることになります。

その結果、世の中に出回るおカネの量が増え、デフレが解消されます。

デフレから脱却できないかぎり「景気がいい」とは言えない。

上のグラフは、政府が日銀にばかりに政策を押し付け、自らはデフレ脱却のために何もしていない、ということを雄弁に物語っています。