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議会報告 02 政治・経済

日出る国と日沈む国の「研究開発投資」2019/08/04    

現世界の先進国軍隊は、主として戦闘に勝つためのものではなく、世界秩序(世界平和)維持のためのバランサーとしての機能を果たすことで世界平和に寄与貢献し、翻って自国の平和を担保しようとするものとなっています。

いずれの国家も、自国のみの平和を独力で創出し、円滑な経済活動を維持することはできません。

因みに、それができる国は、おそらく米国くらいのものでしょう。(米国が本気になれば…)

であると同時に、現世界においてもなお軍隊は「戦うため」というようりも各国の「外交の背景」として存在しています。

毛沢東が「戦争は血を流す政治、政治は血を流さない戦争」と言ったように、その本質は今も昔もさして変わりません。

さて、去る7月31日、中国軍駐香港部隊が暴動鎮圧ための訓練を紹介する宣伝ビデオを公表しました。

香港で発生しそうな暴動を想定し「我が部隊はこのようにして鎮圧しますよ!」という政治的メッセージでしょう。

即ち、香港の「逃亡犯条例」改正案の撤回を求めデモを先導しようとしてる若者らに対し、軍が出動する可能性を示唆することで政治的に牽制しているわけです。

軍事力を背景にするにしても、それを「国民を守るため」に使うのか、それとも「国民を威圧するため」に使うのかではお大きな違いがあります。

要するに、治安を維持することが目的なのか、それとも言論を封殺することが目的なのか、その違いは実に大きい。

とはいえ、かつて梅棹忠夫さんが『文明の生態史観』(中央文庫)で述べておられたように、封建社会の経験をもたず広大な大陸領域で多民族・多言語・他宗教の民を束ねなければならなかった皇帝国家を祖とする国々と、大陸の皇帝国家とは一線を画し封建社会の歴史をもつ国々とでは、国民統治のあり方を同列で論じることはできません。

日本や英国のように、封建社会の経験をもった国々では議会が発達し、いわば「言論活動に制約のない民主主義」が成立しましたが、中国やロシアやトルコ共和国がそうであるように、封建諸侯による分権統治が成立し難かった国々ではそうはなりませんでした。

むろん、これは良し悪しの問題などではなく、たんに事実がそうであったというだけの話です。

なお「言論活動に制約のない民主主義」が成立し難い国々(中露)を隣邦にもったのは、我が国の地政学的宿命でもあります。

とりわけ近年、中共の経済力と軍事力の躍進は大きい。

こうした現実を直視できないのか、我が国の為政者もメディアも経済界も至って呑気です。

例えば、我が日本が戦後の荒廃から奇跡の成長を成し遂げ「経済大国」にのし上がることができたのは、戦前戦中に投資され確率された「技術開発力」という土台があったからです。

残念ながら、日本は名実ともに「経済大国」と呼ばれなくなる日が刻一刻と近づいています。

政府は政府で愚かなる緊縮財政により支出(政府による研究開発投資)を抑制しつづけているのは周知のとおりです。

日本の企業は企業なりに努力はしているものの、国全体でみると例えば製造業による投資額の差は開いていくばかりです。

人口や国土面積や産業構造の違いを考慮しても、スピード感の違いは明らかです。

ただし、日本企業の投資意欲を抑制しているのは、緊縮財政によりデフレを放置している政府(政治家や官僚)の責任に拠るところが大きい。

投資を抑制する国は、経済力・文化力・軍事力ともに衰退していきます。