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議会報告 02 政治・経済

有志連合
(占領憲法ではなく、国際法を優先した議論を…)
2019/07/31    

韓国の経済紙「毎日経済新聞」によれば、韓国政府がホルムズ海峡における米国主導の「有志連合」に加わることを決めたそうです。

駆逐艦1隻を含む海軍の部隊を派遣する計画なのだとか。

米国政府は同盟諸国に対して有志連合への参加を呼び掛けていますが、有志連合はホルムズ海峡を通過する船舶の安全航行確保を目的としています。

報道をみるかぎり、日本では「アメリカに与するのか、それともイランに与するのか」みたいな、かくもお粗末な議論に陥っていますが、まったくお門違いな議論です。

現在、外交上の対立が表面化しているとはいえ、べつに米国とイランとが戦争状態にあるわけではなく、ましてや米国が各国に集団的自衛を要請しているわけでもありません。

たんにホルムズ海峡における安全航行を各国が協力して確保していこう、という話に過ぎません。

あくまでも、この有志連合は「集団安保」(集団的自衛権ではない)の一形態なのです。

それが例え「国連主導」であろうが、あるいは「米国主導」であろうがさしたる問題ではありません。

そもそも国連は、米国が主導する集団安保体制を国際社会がオーソライズ(授権)したものですので。

昭和31(1956)年、何の留保事項もつけずに国連に加盟した我が国は、憲章に謳われている責務(国連憲章第2条)を誠実に果たすべきです。

「そんこと言ったって、有志連合は国連安保理の決議に基づいていないじゃないかぁ〜」という意見ありましょう。

とはいえ、これまで同様に「有志連合」を非難し否定する国連決議もまた採択されることはないでしょう。

即ち「有志連合」が集団安保の一形態であることが、既に国際慣例として定着していることになります。

さて、国連安保理決議のない「有志連合」であるがゆえに、日本にはこれに参加するための根拠法規がないことを理由にして「海上自衛隊による海上警備行動」案が政府内で浮上してくるかもしれません。

この場合、日本会社所有船舶は警察行動の範囲で守れるとしても、他国保有の船舶を守ることはできず、結局は有志連合司令部からクレームがつき連合軍には参加できなくなるのではないでしょうか。

それでは全くもって意味がなくなります。

すると今度は「有志連合」から独立したかたちで、例によって「給油サービス」をしようじゃないか、みたいな妥協案が検討されるにちがいありません。

ただし、そのためには国会休会中に特措法を新たに創らなければならず時間を要します。

あまり時間をかけると、ホルムズ海峡の安全航行を望む国際社会から「現実に日本のタンカーがやられている時にそれを守る場面に出動せず、肝心なことを他国にまかせて自分たちは給油サービスだけか!」と馬鹿にされることになります。

それに、日本の海上自衛隊が「有志連合」から独立してしまうと、航空機あるいはミサイル等で攻撃された場合、連合軍から守って貰える対象としての優先順位が低くなりますので極めて危険です。

因みに、他国からの支援なしに独力で「給油サービス」を遂行する能力を海上自衛隊は量質ともに持ち合わせていません。

といって、これは「個別的自衛権」の問題だとして出動する案もありますが、それでは他国の船舶を守ることはできなくなります。

他国の船舶を守ることができなければ、当然のことながら「集団安保」の責務を果たしたことにはなりません。

このような議論を重ねて時間を費やしているうちに、次々と「有志連合」への参加国が増えていく…

前述のように、既に韓国が参加を表明しています。

英国、オーストラリア、カナダ等が参加するのは目に見えています。

加えて、英国以外の欧州国の一部も参加し、その上さらにインド、ヴェトナムまでが参加し、ついには中国海軍までもが参加した場合までを考えておかねばなりません。

何よりも怖いのは、日本だけが憲法を理由に参加を表明できず、国際社会から「相変わらずの一国平和主義」と揶揄され孤立することです。

政府におかれては、ここはぜひ占領憲法ではなく国際法を優先してほしい。