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議会報告 02 政治・経済

化石エネルギー依存度は「92.3%」(うち、石油は「41.5%」)2019/07/17    

AP通信によれば、UAE(アラブ首長国連邦)ドバイを出港したパナマ船籍の小型タンカーが、ホルムズ海峡付近を航行中にイラン領海に入ったものの、13日夜以降、船舶の位置を伝える装置からのデータが途絶え、依然として行方不明になっているという。

『ホルムズ海峡でUAEタンカー不明か イラン領
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47418530X10C19A7000000/
AP通信によると、原油輸送の要衝ホルムズ海峡で13日、アラブ首長国連邦(UAE)の小型タンカー「リア」がイラン領内で消息を絶ったことが16日までに明らかになった。詳細は不明。6月以降、同海峡近くでは何者かによるタンカーへの攻撃が相次ぎ、偶発的な衝突のリスクが指摘されている。不測の事態に備え米軍も警戒を強めていたさなかだった。(後略)』

行方不明となったタンカーは、UAE西岸からホルムズ海峡を回って同国東岸にあるフラジャイラに向かう途中だったらしいのですが、ご承知位のとおり、同海峡付近ではこのところ日本のタンカーが攻撃を受けるなどの事件が相次いでいます。

これに対して、米国はダンフォード統合参謀本部議長が言明した通り、「有志連合」の結成に向けて動き出しています。

さあ、それに参加するのか否か、日本は国難とも云うべき事態に直面し、今まさに重大な決断を求められつつあります。

2016年に施行された平和安全法制は機能するのかを含め「いかに我が国は対応すべきか!」についての大いなる議論が求められていると思うのですが、参議院選挙の直中にあるなかにあって、残念ながら各候補にとっても、有権者にとっても、選挙戦を報じるメディアにとっても、イマイチ関心は薄いようです。

しかしながら、我が国は、世界でもトップクラスで化石エネルギー依存度の高い国です。

むろん「これを低下させればいい」という意見もございましょうが、それを実現するには未だ未だ時間を要します。

上のグラフのとおり、化石エネルギーの中でも、我が国がもっとも依存しているのが石油(41.5%)です。

そして日本に輸入される原油の約80%がホルムズ海峡を通過しなければならないのです。

ホルムズ海峡は、我が国のエネルギー安全保障にとってまさに隘路中の隘路(チョークポイント)です。

しかしながら、我が国はあの地域一帯の安全を独力で確保する能力など持ち合わせていません。

米国が世界の警察官としての意志と能力を失いつつある今、これまで以上に各国が協力して当該地域の安全及び秩序を維持しなければならないわけです。

といっても、これは「集団的自衛権」の問題ではありません。

もしかすると、前述の「平和安全保障法制」(2016年制定)に基づき「集団的自衛権」により有志連合軍に参加する案が政府内で検討される可能性があります。

その場合、その事案が日本にとって本当に「存立危機事態」なのかどうか、の議論がなされなければなりません。

ところが、その立証は意外に難しい、と言われています。

それに、「集団的自衛権」を発動するためには、第一被害国からの救援要請がなければならない。

今回の場合、米軍が第一被害国であるとは言えず、むしろ米国は第一加害国ではないか、と言われるような状況下で「日本が救援国」になるのは困難です。

そもそも「日本の船は日本で守れ、米国は中東の石油を必要としてはいない」という米国大統領が日本に救援要請をするとは考えにくい。

例えそれが、他国であっても同じことです。

日本に救援要請を求める国など、おそらく皆無でしょう。

なお、集団的自衛権を行使するにあたっては、加害国と被害国と要請国と被要請国の関係が実に複雑なものとなります。

例えばホルムズ海峡の場合、被害を受ける国は、産油国、原油輸入国、輸送船の旗国と無数だからです。

ここはやはり、特定国を護る「集団的自衛権」ではなく、その地域や世界の秩序(平和)を護る「集団安全保障」で対応することのほうが余程に現実的です。

為政者は、そのことを解りやすく広く国民に説明し、速やかに具現化してほしい。

日本のエネルギー安全保障を護るために…

そして、日本が世界から「一国平和主義」の誹りを受けないために…