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議会報告 02 政治・経済

ドラッグ・ラグ問題をも深刻化させる「緊縮財政」2019/06/21    

いま我が国は、ドラッグ・ラグという問題に直面しています。

ドラッグ・ラグとは、海外での使用が許可されている薬が日本では許可されない、という問題です。

その主たる理由は、日本での患者が少なすぎて製薬会社にとってビジネスにならないなどがあります。

薬の開発は「医学的な理由よりも経済的理由で決まる」とも言われています。

要するに、薬価(法律に基づき国が設定する販売価格)×患者数(患者の使用数)が開発費用を上回る場合にのみ製薬会社はその薬の開発を行います。

それぞれの国の経済的な事情等によりドラッグ・ギャップが生まれる所以です。

加えて追い打ちをかけているのが、我が国政府の急速な緊縮財政です。

広島大学の角谷教授もご指摘のとおり、急激な医療費の削減が日本の製薬企業の衰退と製薬市場の魅力減退をもたらし、中長期的にはドラッグ・ラグ対策が機能しなくなる可能性が高い。

下のグラフをご覧ください。

高齢化の進展によって医療需要は高まりつつも、それほどには国民医療費の増減率は伸びていません。

理由はむろん、あの悍ましき「プライマリー・バランス黒字化目標」を達成するための緊縮財政です。

有りもしない「財政破綻」論に怯えた政府(政治)は、医療需要の継続的な増加に怯えながらせっせと医療費を切り詰めています。

ご承知のとおり我が国は、医療費を大幅に節約しなければならないような差し迫った財政危機の状態にあるわけではありません。

自国通貨建てで国債を発行する政府にデフォルト(破綻)はありえないのだから。

これ以上、研究開発力を含めた自国の製薬企業の体力と製薬市場の魅力を下げてしまっては、今後ますますドラッグ・ラグ問題を深刻化させるリスクを高めてしまいます。

それよりも、MTTが言っているように、政府債務の拡大と財政出動によって中長期的な視点で製薬会社の研究開発支援を実施すべきです。

さもないと、ドラッグ・ラグ対策どころか、日本が世界に誇る「国民皆保険制度」をも次代に引き継ぐことが不可能になりかねない。

繰り返します。

一国の財政と一家の家計簿は違うのです。