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議会報告 02 政治・経済

株式時価総額を上昇させるこはできても…2019/06/08    

収入を得る人…と言ったとき、世の中には次の二種類の方々がおられます。

1. モノやサービスを生産して所得を稼ぐ人

2. 金融資産を転がして投資収益を稼ぐ人

(もしくは、その両方)

1.はGDPを創出し、2.はGDPを創出しません。

ただし、例えば株式投資で儲けた人が、その収入で何らかのモノやサービスを購入した場合には新たなGDPが生まれますが、購入されたモノやサービスを生産しているのはやはり1.の人です。

GDPはモノやサービスを消費するだけでなく、未来の所得を創出するための生産資産を構築したり、防災インフラや交通インフラ等の公共施設、あるいは工場設備等々、様々な有形固定資産を構築します。

この有形固定資産こそ、国富の一部です。

要するに株式や土地、あるいはビットコイン取引などの投資収益は国富には含まれませんが、GDPは真の意味での国富をつくります。

国民経済の力とは、まさに国民のモノやサービスを生産する力のことを意味します。

その国の国民が有する生産資産や技術によって、どれだけのモノやサービスを生産(供給)しGDPを創出することができるのか、そのことが国力を決定します。

どんなに株価や地価が上昇したところで、その国の自前のリソースでGDPを創出(供給)するこができなのであれば、その国は先進国とは言えません。

よって、国力の源泉はモノやサービスを供給する力なのです。

ところが、いわゆるデフレ経済は国力の源泉(供給力)を破壊します。

どんなにモノやサービスを生産しても、それを購入してくれる(需要してくれる)人が少ないのであれば、生産者は思うように販売できず、せっかく生産されたモノやサービスの値は崩れ、生産する人たちの雇用は維持されず、やがて店じまいになってしまいます。

これがデフレによる供給能力の毀損です。

2012年12月に誕生した第二次安倍内閣は、このデフレからの脱却を政策の柱に掲げて成立しました。

その政策こそがアベノミクスです。

当初、アベノミクスは、①金融緩和、②財政支出の拡大、③成長戦略の3つを行う予定でしたが、実際に行われているのは①の金融緩和だけです。

②の財政支出の拡大については、行われたのは最初の一瞬だけで、いつのまにか緊縮財政に転換されています。

③の成長戦略もまた、いつのまにか構造改革(各種の規制緩和)にすり替わっています。

緊縮財政(②)も構造改革(③)も、実はインフレを退治するための政策であって、デフレを退治するための政策ではありません。

未だ日本経済がデフレのなかにある所以です。

そうしたなか、第二次安倍政権のもとで、①の金融緩和(量的緩和)だけは着実に行われてきました。

その結果、緩和マネーは国民経済(GDP)には向かわず、金融資産(とりわけ株式市場)に流れていったようです。

第二次安倍政権発足以降の我が国の株式時価総額の推移をみてみますと、下のグラフのとおり右肩上がりに上昇しています。

一方、日本のGDPだけが上昇せず。

結局、金融緩和による緩和マネーが円安を誘導し、外国人投資からみて割安となった日本株が外国人投資家らによって購入されてきたのでしょう。

むろん円安は輸出産業の為替利益を拡大してきましたので、輸出産業の株価を押し上げました。

とはいえ、国民経済は依然としてデフレにより苦しみ、内需の低迷から国力の源泉たる供給能力は破壊され続けています。

竹中某先生は「株価が上昇すれば、それで儲けた人のおカネが貧しい人たちにも滴り落ちていきます」と、いわゆるトリクルダウン理論を唱えていましたが、実際にはトリクルダウンなど起こっていません。

金融緩和は、株式時価総額を上昇させることはできても、需要を創出しデフレ経済を払拭させることはできません。

必要なのは、政府部門による財政支出の拡大です。