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議会報告 01 川崎市政

人命よりも優先されている「財政規律」2019/05/19    

行政は、様々な住民ニーズを満たすために組織や制度を整え、予算をつけて事業を推進します。

時代とともに多様化する住民ニーズに対応するためにも、行政はその体制を強固なものにしなければならいわけですが、いつのころから「できうるかぎり行政(予算規模)は小さくあるべきだ」という新自由主義的なイデオロギーが政治の世界を席巻していきました。

結果、党派を問わず、議員といわれる方々の多くが選挙民に対し「あれもやります。これもやります。でも行政は小さくします」と訴え、多くの有権者もそれを支持しておられます。

しかしながら、下のグラフのとおり、我が国の公務員数はOECD加盟国の中でも最も少ないことをご存知でしょうか。(地方公務員や公社公団の職員も含む)

日本のそれは人口比で米国の半分、サッチャー改革の名のもとに大幅に公務員が削減された英国の3分の1に過ぎません。

いわゆる「日本は公務員が多すぎるぅ…」説は、日本のメディアが作り上げたイメージでありファンタジーです。

なお、これまた知られていない事実ですが、行政部門が毎年の支出や借金を減らしていくと、その一方で家計や企業などの民間部門の収入や貯蓄も減っていくことになります。

信じられないかもしれませんが…真実です。

いま流行りのMMT(現代貨幣理論)が言うように、政府部門の赤字は民間部門の黒字なのです。

誰かの資産は必ず誰かの負債であり、誰かの黒字は必ず誰かの赤字!

これは逃れることのできない絶対法則です。

家計簿とは異なり、行政は借金(負債残高)をゼロにする、あるいは減らす必要などありません。

経済規模が拡大していけば、それにともない負債残高も増えて当然なのです。

現に、我が国政府の負債残高を歴史的にみますと、明治政府が発足して以降、今日の負債残高は名目で3740倍、実質で546倍になっていますが、これはこれで何の問題もありません。

例えば、50年前のトヨタの借金(バランスシート場の負債額)と、現在のトヨタのそれとが同額なはずがなく、50年前に比べて◯◯倍に負債が増えたところで今のトヨタが破綻するはずもない。

経済とはそういうものです。

こうしたことを理解できないから、「川崎市には◯◯円もの借金がぁ〜」とか、「減債基金の取り崩しがぁ〜」とか騒ぎ立てては、住民ニーズへの対応よりも行政支出の削減や財政規律を優先させようとする議員さんたちが後を絶たないのだと思います。

当然のことながら、住民ニーズには、交通及び防災関連等のインフラ整備、あるいは子育て、介護、救急医療のような、まさに人の命に関わる施設や制度の整備充実が含まれます。

財政規律を金科玉条とし、いたずらに行政支出を萎縮させるのは、「人命よりも財政規律を優先せよ」と言っているに等しい。