〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 02 政治・経済

人口と資本ストックと生産性2019/01/07    

筆者はかねてより、当ブログにおいて東京都の経済成長率が落ち込んでいることを指摘しておりました。

東京には、あれだけの人口と社会インフラが集中しているにもかかわらず。

当該問題について、川崎市議会で取り上げたこともあります。(平成30年3月7日の予算審査特別委員会)

首都圏総生産の一翼を担う川崎市にとっても実に関わりの深い問題だからです。

その上で、本日の日本経済新聞(電子版)に次のような記事が掲載されています。

『東京一極集中に異変 成長率、全国平均下回る
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39687100W9A100C1SHA000/
東京への経済の一極集中の流れが止まっている。東京都の成長率は全国平均を下回り、総生産が全国に占める割合もじりじりと下がってきた。地方から人口流入が続いているにもかかわらず、そのペースに経済成長が追いついていない。このまま勢いが衰えれば、アジアなど海外との都市間競争にも影を落とす。(後略)』

記事のとおり「地方からの人口流入が続いているにもかかわらず…」です。

むろん、人が増えているからといって経済(GDP)が成長するとは限りません。

この点、外国人労働者を受け入れるからといって必ずしも日本経済が成長するとは限らないことを移民推進派は自覚すべきです。

かつて石原慎太郎氏が都知事のときに「東京都には1兆円の内部留保がある」と自慢げに話されている光景が今でも目に浮かんできますが、デフレ期に行政がおカネ(黒字)を溜め込んでしまうと、資金循環上は民間部門の収支は赤字(資金不足)になってしまいます。

東京の成長率が鈍っている背景には様々な理由が考えられますが、一つには人口が流入するわりには社会インフラがそれに追いついていないことが挙げられます。

なにしろ労働生産性には「資本ストック」(道路や鉄道などの交通網、エネルギー供給網、工場、機械設備、技術力などなど)が大きく関わっていますので…

労働生産性  (資本ストック÷労働量) ☓ (付加価値÷資本ストック)

上記の計算式のとおり、ある程度の資本ストックを確保しなければ、労働生産性を向上させることは不可能です。

よって、「1兆円の内部留保」を自慢する前に、主として交通網の整備など必要とされる公共投資を行っておくべきだったかと思われます。

川崎市における武蔵小杉における開発がまさにそれで、急激に増えた人口に対しての資本ストックが追いついていないがために、とりわけ駅利用について深刻な支障を来しています。

何度でも言いますが、デフレ期における行政の緊縮財政、ならびに黒字化など何の自慢にもなりません。

むしろ、それらの所業は国民経済を疲弊させることになります。

なぜなら「誰かの黒字は必ずだれかの赤字である」これが国民経済の原則だからです。

デフレ経済(需要不足経済)の直中にある民間部門は、企業も家計もお財布の紐を引き締めてしまいます。

国内的なデフレ経済の責任については一義的には政府にありますが、それに加えて全国の地方自治体までもが政府顔負けの緊縮財政(黒字行政)を行っているわけですから、ますますのデフレ化は必至かと思われます。

といっても、残念ながら今日の地方財政制度は、地方自治体に「家計簿」的財政を強いる法制度になっています。

これを変える権限と責任は、国会にあります。

地方自治体は国会の決めた法制度に従わざるを得ないのですから。