一昨日の川崎市議会(一般質問)で、私は「介護付き有料老人ホーム」(以下、介護付き)について質問しました。
実は、川崎市内の介護付きの平均価格が、横浜市内のそれと比べ約10万円ほど高額なのをご存でしょうか。
川崎市内の介護付き全施設の平均価格を調べたところ、入居金なしで換算した場合、月額で303,948円なのですが、多くの高齢者が年金のみで生活されている実状において、この金額は高額と言わざるを得ません。
本市における特別養護老人ホーム(以下、特養)の待機者は10月1日現在で2,751人となりっており、例年、相当数の待機者がおられます。
これは、介護付きが高額で入所できないがゆえに低額な特養のニーズが高まってしまい、結果として特養に入所できない待機高齢者が多くなってしまっている、というのが私の仮説です。
そこで私は、本市における新規開設の介護付きの価格を引き下げることが必要であると考え、川崎市議会で質問に立ったわけです。
どうして川崎市内の介護付きの料金が高くなってしまうのかを調べていくと、本市の『特定施設入居者生活介護選定基準』に大きな問題があることがわかります。
例えば横浜市の介護付き(公募選定業者)の公募には、以前より応募条件に料金の上限があり、選定基準においても料金の点数が高く設定されています。
残念ながら本市にはそうした上限や料金についての点数が設定されていません。
その結果、川崎市と横浜市の公募選定業者(介護付き)の月額料金を比べると大きな差が生じてしまうわけです。
例えば、直近の公募選定業者の横浜市の最高金額が212,000円であるのに対し、川崎市のそれは330,030円となります。
このことは、行政が価格設定の方向性を示すことで、料金が大きく変わってくることを示しています。
そこで私は一計を案じ、川崎市の介護付きの料金を下げ、一般高齢者層が料金的にも安心して利用できるよう、『特定施設入居者生活介護選定基準』に以下の条件を追加及び削減することの必要性を説きました。
まず、応募条件については、入居金ありの場合、なしの月額料金を設定すること。
そして月払い方式の月額金額が230,000円以下となること。
それ以下の料金であっても、設定料金により点数を変化させること。
例えば、以下のように…
入居金0円の時の月額利用料
15万円以下 50点
17万円以下 30点
19万円以下 20点
21万円以下 10点
23万円以下 5点
23万円以上 応募基準外
次いで選定基準についてですが、とりわけ「併設サービス」や「交流スペース」の設置は、入居者にとって関係性が薄いサービスであるにもかかわらず、本市の選定基準では設置した場合の点数が高くなっています。
実はこのことが大きな足かせで、これら(併設サービス・交流スペース)を設置することにより、施設の設備や面積が増えてしまうことから、結果として入居者の賃料等の負担が増えています。
よって、「併設サービス」や「交流スペース」の設置を選定基準より外すこと。
むろん、これらを介護付きの条件には入れないものの、併設サービスの小規模多機能、定期巡回は別途で公募すればいい。
こうした応募条件、選定基準の変更により、川崎市の介護付きの料金を横浜市並に引き下げることが可能であると考えます。
私の提案に対し、川崎市当局は「ご指摘の点を踏まえ、補助金の効果等を検討するとともに、併設サービス等の選定基準が利用料に与える影響について、近隣自治体の状況等も確認するなど、申請条件や選定基準の評価項目等の内容を検討してまいりたい」と答弁されました。
次の議会以降も、ひきつづき追求していきます。