国民経済は供給と需要で成り立っています。
誰かが生産(供給)した商品(モノやサービス)を、他の誰かがおカネを支出して購入(需要)します。
簡単に言うと、これが所得(GDP)創出のプロセスです。
このとき、生産と支出と需要(分配)の金額は必ず一致します。
これが、GDP三面等価一致の原則です。
GDP統計では、誰かがおカネを支払って購入しなければ「生産」としてカウントされないわけです。
さて、経済情勢によって国内全体の供給能力に対して需要する力が上回るケースもあれば、下回るケースもあります。
前者をインフレ経済と言い、後者をデフレ経済と言う。
供給<需要 インフレ(供給不足経済)
供給>需要 デフレ(需要不足経済)
驚くなかれ、我が国は1998年以降、一貫してデフレ経済下にあるわけですが、デフレ期に増税してしまうと需要をさらに縮小させることになります。
にもかかわらず、安倍内閣はデフレ期に2度も消費税の税率を引き上げました。
2014年 5%→8%
2019年 8%→10%
そこで『中小企業業況判断DI』の推移をみて頂きたい。
業況判断DIとは、中小企業にアンケートをとり「景気が良くなっている」と答えた企業数から、「悪くなっている」と答えた企業数を差し引いたものです。
実は1991年以来、恐ろしいことに中小企業業況判断DIはすべてマイナスです。
上のグラフのとおり、2006年以降の中小企業業況判断DIを見てみますと、消費税増税が見事に景気回復の腰を折っている現実が解かります。
リーマンショック後、日本経済は持ち直して右肩上がりに回復してたのですが、2014年の消費税増税(5%→8%)で腰を折り、2019年の消費税増税(8%→10%)で更に奈落の底に貶められたのです。
考えてみてほしい。
消費税は、デフレ不況の深刻化で赤字になった企業や職を失った労働者からも容赦なく徴税する厳しい税です。
逆に言うと、デフレ期の消費税減税(凍結を含む)は国民経済に大きな利益をもたらします。
残念ながら岸田内閣の経済対策には消費税の税率引き下げ(減税)も凍結もありません。