衆議院総選挙が終わりました。
その結果を新聞の見出し風に言えば「自民圧勝、立民惨敗、維新躍進」となりましょうか。
自民党は現職の幹事長(甘利氏)が小選挙区で負け、派閥の長である石原氏に至っては比例でも復活できず、ほか閣僚経験者数人が小選挙区で落選したものの、党としては圧勝だったと言っていい。
たしかに自民党は改選前(276議席)に比べて15議席を減らしましたが、今回獲得した261議席は「絶対安定多数」です。
絶対安定多数とは、与党が安定した国会運営をするために必要な議席数のことで、全ての衆院常任委員会で委員長ポストを独占でき、全委員会で過半数の委員を確保しつつ、中立的な立場となる委員長の判断を考慮せずに法案を可決することができます。
それを自民党は公明党の議席を含めず単独で獲得したわけです。
つまり国民は、今回の総選挙で「自民党一強」を支持したことになります。
そして惨敗した立民枝野は自分可愛さから「野党共闘がそれなりに成果をあげた」などと言っていますが、どうみても共闘は失敗です。
今後は「枝野の責任論」と「共闘の再考論」が主たる党内テーマになることでしょう。
そして最も躍進したのが過激ネオリベ政党の維新(日本維新の会)です。
維新は改選前の11議席から30議席を増やし41議席となりました。
増えた議席数30は、おそらくは自民党と立憲民主党から逃げた票ではないでしょうか。
自民にも立民にも票を入れたくない、という有権者の受け皿になったものと推察します。
今回の選挙では、出口調査からみえてきた興味深い傾向があります。
それは、年齢の若い層ほど自民党を支持し、年齢が高い層ほど立民を支持しているということです。
若い世代の多くが立民に投票しない理由の一つに「(政権担当能力のない立民に)変に変えてほしくないから…」というものがありました。
「変に変えてほしくない…」
なるほど、若い世代は冷静に政治をみていますね。
一方、維新は主として地元大阪で躍進しましたが、いかに無党派層を取り込んだとはいえ、全国的に投票された方々の多くはけっして若い世代ではないはずです。
なぜなら、過激なネオリベ政策(構造改革)の最大の被害者は若い世代ですので。
我が国は1990年代からはじまったネオリベ政策(構造改革)によって経済が長期にわたりデフレ化し、1997年をピークに実質賃金は引き下げられつづけてきました。
結果、中間所得層と雇用が破壊され、格差が拡大し、多くの若い世代が非正規雇用に追い込まれてきたのです。
ゆえに目下、いかにネオリベラリズムから脱却できるかが、我が国最大の政治テーマです。
にもかかわらず、皮肉にも「過激ネオリベ政党」が躍進したわけです。
自民も立民もネオリベラリズム政治の対抗勢力にはならないところに、まさに日本の政治の危機があります。