去る10月10日、学生3大駅伝の初戦となる出雲駅伝(第33回出雲全日本大学選抜駅伝競走)が行われました。
結果は、東京国際大学が史上初となる初出場初優勝を飾り、優勝候補の一角に挙げられていた青学は2位に終わりました。
青学は1区の近藤選手が区間賞となる首位発進をしたものの、2区を走る選手が5位に後退します。
その後は、3区を走る選手が4〜5キロ付近で、トップを走る東京国際大学の選手に8秒ほど引き離される展開となりました。
そのときの青学の原監督のコメントが印象的でした。
原監督は、レースを生中継していたフジテレビのインタビューに厳しい表情で「ここで先頭に立ちたかったんですが、8秒開かれてますねえ。(優勝は)東京国際でしょう、はい」と述べられました。
東京国際大学の最終6区は、俊足として名を馳せるイエゴン・ヴィンセント選手(ケニア出身)。
原監督は6区に入る前に、即ちイエゴン・ヴィンセント選手に襷がつながれる前に、それなりの差をつけておかねば絶対に勝てないと踏んでいたようです。
ところが、差をつけるどころか、逆に東京国際大学に差をつけられてしまったので、まだ3区を走っている段階で原監督は敗北宣言をされたわけです。
監督が試合中に敗北宣言するのは実に異例なことだと思います。
素人の私にはよくわかりませんが、この世界では「8秒の差」はとても大きな差であり、あるいはそれだけイエゴン・ヴィンセント選手が凄い選手なのでしょう。
何の世界でも「埋められない差」というものがあります。
原監督のように、その世界においてProの目利きをお持ちになれている人には、そのことを瞬時に理解できてしまう辛さがあるのだと思います。
政治の世界においても然りです。
日本と中国の軍事力を比較すると、もはや日本一国だけではとてもとても中国に太刀打ちできないほどの差がつけられています。
それも当然です。
冒頭のグラフのとおり、両国の軍事費(軍事に対する政府支出)を比較すると、その差は歴然です。
2001年にWTOに加入した中国は、それにより手にした経済的利益を存分に国防軍事に費やしてきました。
一方、我が国は在りもしない「財政破綻」に怯え、かつ新自由主義に基づく「緊縮財政」を断行してきたことで防衛力の強化を怠ってきました。
あろうことかデフレ経済を放置し続けてきたことで名目GDPは長きにわたり低迷し、その低迷した名目GDPのわずか0.9%未満に防衛費を抑えつづけてきたという現実は、まさに国家としての自殺行為です。
今や自衛隊施設のトイレットペーパーでさえ、現場の自衛隊員たちが実費で購入している有様です。
呑気な国会議員たちは相変わらず「日米同盟を基軸に防衛力を強化していきたい」などと無責任なことを言っていますが、あなたたちが頼みにする米国ですら今や経済力において中国に抜かれそうになっている現実を知っているのか!
冒頭のグラフは、まさに「埋めようのない差」であり「取り返しのつかない差」なのです。
即ちこのグラフは日本の属米化をさらに進めていくのか、それともやがて日本列島が「中国和人自治区」になるのかの岐路に立っていることを示しています。
そういえば岸田総理が「今回の総選挙は未来選択選挙だ」と言っていました。
なるほど…