勤労者世帯の実収入、3ヶ月連続でマイナス

勤労者世帯の実収入、3ヶ月連続でマイナス

総務省は経済政策や社会政策立案に必要な基礎資料を提供することを目的に、国民の家計収支の実態を把握する『家計調査』を実施しています。

むろん、この『家計調査』は統計法に基づいて行われています。

きのう9月7日、総務省から7月の『家計調査』が発表されました。

数字は実に悲惨です。

家計(二人以上の世帯)の実質消費支出(前期比)は、3ヶ月連続のマイナスとなりました。

なお、二人以上世帯のうち勤労世帯の実収入(世帯員全員の現金収入を合計)をみますと、これもまた3ヶ月連続でのマイナスとなっており、6月のマイナス10.8%からさらに落ち込みました。

普通は大きく落ち込むと、その反動によって翌月はプラス化するものですが、7月は更にマイナス化しました。

政府および政治の体たらくにより、依然として我が国では緊急事態宣言が続いており、経済活動が停滞しているわけですから当然といえば当然の話なのですが、であるのならば、せめて経済を底上げするための大規模な財政支出を伴う経済対策を打って欲しい。

それもしない。

例によって政府は「基礎的財政収支(PB)の黒字化目標があるから、そんな出費はできません」と言う。

野党も野党で「PB黒字化目標など、いったん凍結しろ!」と言って追求しようともしない。

ご承知のとおり、我が国におけるワクチン接種の開始は、欧米先進国にくらべて4ヶ月も遅れてしまいました。

イギリス、ドイツ、フランスなどの欧州各国は、ワクチンの治験をすっ飛ばしています。

なぜなら、多民族・他人種国家であるアメリカでの治験が完了していたことから「緊急時の今、あらためて自国で治験を行う必要はない」と為政者たちが判断したからです。

そのために、昨年12月から速やかに接種がはじまったわけです。

一方、我が国の為政者たちは国会議員を含めて、恐ろしいほどにワクチンには消極的でした。

行政がワクチン接種業務を行うために必要な『予防接種法改正案』が国会で審議された際、衆議院と参議院ではともに全会一致で附帯決議がついています。

衆議院__「新型コロナウイルスワクチンの審査に当たっては、国内外の治験を踏まえ慎重に行うこと」

参議院__「新型コロナウイルスワクチンの承認審査に当たっては、国内外の治験結果等を踏まえ慎重に行うこと」

このように、日本では国会が全会一致で「国内での治験を踏まえろ!」「そして承認審査は慎重に行なえ!」という附帯決議をつけてしまったがゆえに国内でも治験を行うこととなり、欧米に比べて4ヶ月も接種開始が遅れてしまったのです。

実に残念です。

もしも欧米並みに接種がはじまっていたならば、緊急事態宣言などはとっくに解除され経済活動が再開されていたにちがいない。

むろん、家計消費支出や実収入についても、5月、6月、7月の3ヶ月連続での落ち込みはなかったはずです。

この怒り、どこへ向かうべきか!