これまでのアルファ株(英国株)とは異なり、感染力の強いデルタ株はワクチンを接種していない子供たちを脅威にさらしています。
例えば、学校の新年度とデルタ株の流行がもろに重なってしまった米国では、CDC(疾病対策予防センター)が方針を転換し、全児童に校内でのマスク着用を推奨することになりました。
それでも相変わらずテキサス州などはマスクの義務化に強く反対しています。
しかしながら、テキサス保険大学サン・アントニオのバーバラ・テイラー博士によれば、デルタ株はより急速に増殖するために、ウイルス自体が複製され上気道を通って口や鼻などから拡散してしまうらしい。
1日あたりの複製能力は依然の変異株に比べて1,000倍と推測されている、とのことです。
デルタ株の感染力の強さを思い知らされます。
なお、博士によると、子供がワクチン未接種だったり、12歳未満で対象外だったりした場合、これまでの流行の波に比べて入院リスクは高くなるという。
そして「未接種の子供たちが最も安全なのはワクチン接種済みの大人や他の子供たちに囲まれていることだ」と言い切っておられます。
テキサス州では成人の55%がワクチン接種を完了していますが、未だ集団免疫の獲得には至っていないようです。
新型コロナパンデミックとの闘いに勝つためには、ワクチンによる集団免疫の獲得こそが最善の方法である、というのが多くの専門家の見解です。
しかし残念ながら、COVIDワクチンについて誤解を招く、あるいは科学的根拠に基づかない間違った情報が今なお広がり続けています。
中には「ワクチンの中にマイクロチップなどの追跡装置が入っている!?」などの陰謀論もあります。
この噂はSNSを中心に世界中に拡散されているようで、なんでも「ビル・ゲイツ氏がワクチンを使って人にマイクロチップを埋め込んでいる」のだとか。
むろん、ワクチンに個人情報を保存するマイクロチップが入っている事実は確認されていませんし、ビル・ゲイツ氏ご本人もそんな発言はされておらず強く否定されています。
全てのワクチンは、使用が許可される前に安全性と効果について厳しい治験と高水準の審査に合格する必要があります。
よって、世界を股にかけた大それた陰謀が入り込む余地はそうそうありません。
悲しいことにこの世には、わずかな事実の断片を悪用して大勢の本物の不安に便乗する人たちがおられます。
ゆえに、COVID ワクチンについても、オンライン(SNS等)で調べる際にはCDC やWHO(世界保健機構)、及びNHS(英国国民保健サービス)といった正式な医療保健当局などの信頼できる情報源にあたることが重要だと思います。