米国では、3月の雇用市況が大幅に改善されました。
雇用者数は91.6万人に増え、大半の産業で改善したのは7ヶ月ぶりとのことです。
なお失業率も6.0%となり、前月から0.2ポイント改善しました。
労働市況が急速に改善した理由は、新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、事業への規制が緩和されたことにあると各メディアは報道しています。
ワクチン接種が進むにつれて、今後も雇用情勢が回復していくことが予測されます。
加えて、バイデン政権が200兆円規模という大規模な財政支出(需要創出)を行うことも大きな要因かと思われます。
ある程度の安定した需要さえ見込めれば、企業は必ず「投資」をします。
とりわけ、労働集約的分野である飲食、レジャー関連においては雇用拡大に直結します。
現に米国では飲食店を含むレジャーホスピタリティ産業で28万人も増え最も大きく改善しています。
また資本集約的分野である製造業においても5.3万人の雇用が増えていることから、今回の雇用統計の改善は一時的なものではなくそれなりの「強さ」が示されていると思います。
米国の雇用情勢は、コロナ以前では昨年2月がピークでした。
これと比べても就業者数トータルの数でみますと、まだ840万人も下のレベルで推移していますが、このペースで回復していけば、遅くとも8ヶ月後にはコロナ以前の水準に到達します。
その意味で米国経済の先行きは明るい。
翻って我が日本国といえば、政府はあいも変わらず緊縮財政至上主義で、総需要を拡大するデフレ対策は皆無です。
世には、在らぬ「財政破綻論」を振りかざして政府にカネを使わせない人たちで溢れていますが、そんな連中のために日本経済はこのまま衰退していく可能性が大です。
ワクチン接種においても遅れに遅れています。
特に日本の場合、感染拡大期が主要各国よりも遅れて訪れたこともありますが、それ以上にワクチン対応の遅れからコロナ禍を終息するタイミングが大幅に後ずれすることが見込まれます。
後ずれした日本は、先に経済活動を正常化させた国々に市場を奪われることになります。