ワクチン争奪戦において、完全なる「負け組」となっている日本。
その接種率はジンバブエよりも低い。
いよいよ12日から高齢者(65歳以上)への接種がはじまるとされていますが、肝心のワクチン供給の目処が立っていません。
自治体によっては既にクーポン券を発送しているところもあるようですが、ワクチン確保に目処が立たないため予約はだいぶ先になります。
川崎市は、クーポン券を一斉に発送することなく、ワクチンの確保数をみながら徐々に発送していく方針です。
予約ができないのにクーポン券だけを発送しまくっても、なかには無くされてしまう人がでてしまう可能性があるからです。
仮にワクチンが届いても、まずは高齢者施設などでの接種が優先されますので、一般の高齢者が予約可能となるのはおそらく6月以降になってしまうのではないでしょうか。
このように完全に出遅れている我が国はコロナ禍の終息も周回遅れとなることから、先に終息し経済活動を先行させる英米欧中韓に国際市場を奪われてしまう可能性が大です。
さて、もうひとつの懸案となっていた、ファイザー社ワクチン(コミナティ筋注)の個別接種会場への搬送方法についてですが、川崎市はファイザー社が求めているとおり「冷凍状態(マイナス15℃以下)での移送」を行います。
一方、自治体によっては、ファイザー社が「不可」としている「冷蔵(2〜8℃)での移送」を行う予定です。
練馬モデルでお馴染みの練馬区は、ようやく「冷蔵での移送」がダメであることが理解できたらしく、急遽、冷凍での移送に変更しようとしているらしい。
昨年12月の段階でファイザー社は「冷蔵(2〜8℃)状態での移送は推奨できない」としてきましたが、今年3月28日に「(冷蔵移送の場合)衝撃・振動を避けること」と取説の内容を改めました。
練馬区が冷蔵移送から冷凍移送に変更する理由はこれにあります。
そうしたなか、先週、衆議院の厚生労働委員会で不可解なやり取りを目にしました。
某野党議員が厚労相に対し「これまでファイザー社は『冷蔵移送を推奨しない』としていたのに、なぜ条件を緩和して『衝撃・振動を避けること』としたのか?」という質問をしていました。
はて?
ファイザー社が、いつ条件を緩和したのか…
推奨しない → 避けること
これのどこが条件の緩和なのでしょうか。
「避けること」とは、要するに「ダメ」あるいは「不可」と言っているに等しい。
繰り返しますが、これまでファイザー社は「冷蔵での移送は推奨しないけれど、どうしてもやむを得ない場合は自治体の責任において行ってください」としてきました。
しかしそれでは「やむを得ないからそうします」という無責任な自治体が後を絶たないため、ファイザー社は「(冷蔵移送の場合)衝撃・振動を避けよ」としたわけです。
つまり改めて「2〜8℃の冷蔵状態で衝撃や振動を加わえてはダメ」としたわけです。
もっと言えば、「冷凍での移送しかダメですよ」とファーザー社は言っています。
なのに某野党議員は「ファイザー社が条件を緩和した」と誤解しています。
国会議員でけではなく、日本経済新聞も同じ様にミスリードしています。
『ファイザー製ワクチン、冷蔵可能に 接種会場への輸送で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC025PA0S1A400C2000000/
米製薬大手ファイザーの日本法人は2日までに、新型コロナウイルスのワクチンを小分け輸送する際の温度管理で、冷蔵を認める方針を明らかにした。(後略)』
この新聞社は財政問題でも常にミスリードし続けていることで有名ですが、入社試験に国語問題はでないのでしょうか。
そこで一つの提案ですが、ぜひ来年の国家公務員試験や地方公務員試験にこの国語の問題を出題してほしい。
「推奨しない」から「避けること」への変更を、条件が緩和されたと解釈するか、それとも強化されたと解釈するか。
これを緩和と答えた人は公務員失格。
公務員には試験がありますが、議員には試験がありません。
なので、今回のファイザー社の取説改定を「緩和された」と解釈している議員は自主的に辞職してほしい。