厚労省によれば、コロナ禍の影響に伴う解雇及び雇い止めの人数が累計で10万人を超えたとのことです。
業種別でみますと、製造業、小売業、飲食業が多く雇用情勢は深刻化しています。
なお政府による企業支援策も、それぞれ期限が迫っています。
民間銀行の無利子無担保・融資などは3月31日に既に終了し、事業再構築補助金は4月30日まで、一時支援金は5月31日まで、雇用調整助成金は7月1日で期限切れとなります。
事業再構築補助金については、5月以降、年内4回実施される予定ではあるものの、とうてい失業率を低下させる規模ではありません。
リーマン・ショック後の2009年にも日本経済は大きく落ち込みました。
その時の非正規比率は33.7%でしたが、昨年(2020年)時点の非正規比率は37.2%になっていることから、リーマン・ショック時よりも、今回のコロナ禍での失業のほうが深刻化することは明らかでした。
今朝のテレビ番組で今後の対応について問われた自民党の甘利税調会長は、いかにも「政府の措置にぬかりはない…」みたいな発言をされておられましたが、どうみてもまったく足りていない。
事業者に時短を要請するのであれば政府が粗利補償をすべきですし(自治体に財源を負担させるな!)、これ以上の失業者を出さないためにも具体的な雇用対策を拡大すべきです。
例えばMMT(現代貨幣理論)が提唱しているジョブ・ギャランティ・プログラム(就業保証制度)など。
ジョブ・ギャランティ・プログラム(以下「JGP」)とは、政府自らが一定の賃金を支払ってすべての就業希望者を雇い入れる制度です。
JGPによる政府支出はデフレ期に拡大してインフレ期に縮小することによってスタビライザー(自動安定装置)として機能するとされています。
JGPの賃金は事実上の最低賃金として機能するので民間部門の労働条件の改善にもつながります。
ぜひ政府与党におかれては本気で検討してほしい。
それに総需要不足を埋めるための財政出動も忘れてはならない。
むろん、財源は税収でなく国債で。