消費税は少子化促進税

消費税は少子化促進税

日本経済新聞社の新メディア「Minutes by NIKKEI」が、消費税について次のように説明しています。

「消費税は、モノやサービスを取引する際にかかる間接税で、消費者だけでなく企業間などすべての取引で課税されます」
https://www.nikkei.com/prime/minutes/article/DGXZQOCD051360V00C25A3000000

性懲りもなく「消費税は間接税…」と言い切ってしまっていますが大丈夫でしょうか。

あの財務省だって、そのへんはお茶を濁して誤魔化しています。

財務省は消費税の価格転嫁について、次のように公式に説明しています。

「消費税は、価格への転嫁を通じて、最終的には消費者が負担することが予定されています」
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/tenkataisaku.htm

……予定されています……

断定できないものだから、このように「予定されています」という曖昧な表現でお茶を濁しているわけです。

ついでながら「最終的に消費者が負担する」と言っていますが、消費税は事業者の粗利益(利益+非課税仕入)に課せられる税(つまり、直接税)です。

消費税は税を負担する人も、税を納める人も事業者です。

ゆえに私は消費税を「第二法人税」と呼んでいます。

つまり、財務省が言っているのは「事業者は第二法人税の税負担分を価格に転嫁してもいいですよ」と推奨しているにすぎません。

日本経済新聞社は「企業も消費者の一人として消費税なる間接税を負担している」と誤解しているのか。

少なくとも正しく理解していないのは事実です。

経団連の前会長だった十倉雅和氏(住友化学会長)は日本経済新聞社のインタビューで「少子化対策としても消費税が必要だ」などと言っていましたが、冗談じゃない。

前述のとおり、消費税は第二法人税であるため、事業者が正規社員に支払う給与、すなわち人件費に対しても諸に課税されます。

そのため、多くの企業が節税対策の観点から「正規社員」を「非正規社員」に切り替えていきました。

非正規雇用の人件費は、企業にとっては「仕入・経費」(課税仕入)となるため粗利には含まれないからです。

繰り返しますが、消費税は事業者の利益と非課税仕入の合計(粗利)に課税されています。

挙げ句の果てには、派遣社員という非正規社員を斡旋し、その毎月の給与からピンハネするビジネスモデルまで生まれました。

その結果、どうなったか。

子どもを生むどころか、経済的な理由で結婚さえできない若者が大量に増えたのです。

厚労省の調査からも、非正規社員の婚姻率が正規社員よりも低いのは歴然たる事実です。

それでよく「消費税は少子化対策の財源の一つだ」などと言えたものです。

消費税は間接税ではなく直接税であり、消費税こそが少子化の要因の一つなのです。

それが真実です。