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議会報告 02 政治・経済

『現代金融理論』は誤訳、正しくは『現代貨幣理論』!2019/05/05    

米国で議論騒然となっている『Modern Monetary Theory』(以下、「MMT」)とは主として…

1. 自国通貨を持つ政府は、財政的な予算制約に直面することはない。

2. 全ての経済は生産と需要について実物的あるいは環境的な限界がある。

3. 政府の赤字は、その他の経済主体の黒字である。

…という理論です。

というか、ふつうに歴然たる事実を述べている理論書です。

この理論が黒船のようにして日本にも上陸したことで、例えば財務省、及びその御用学者や御用メディアなど、歴然たる事実を認めたくない人たちによる『MMT』の曲解と批判がはじまっているようです。

例えば「政府は無限に借金を垂れ流せるというのかぁ?」とか、「政府が無限に借金できるのなら、国民に税を課す必要などないではないかぁ?」とか。

『MMT』は、一切そのようなことを述べていないのにもかかわらず!

冒頭の1〜3を読んでい頂ければ解るように、『MMT』は「自国通貨を発行できる政府の国債発行については、予算的な制限はないが需給面において制約がある」としています。

もしもモノやサービスの生産力(供給力)が乏しいなかで、通貨を無制限に発行したらインフレ率が急激に上昇するのは当然のことです。

したがって、例え自国通貨とはいえ、既にインフレ率が高い国にはさらなる通貨発効(国債発行)の余地はありません。

『MMT』も、そのように言っています。

なのに…

言っていないことを言ったとことにして批判する、実に卑劣な人たちですね。

逆に彼らは、国債を発行すればデフレが払拭される(インフレ率を上昇させる)ことを暗に認めているのだから、けっこう間抜けな批判です。

そもそも、日本のメディアが新聞等で『MTT』について報道しはじめたときから、私はものすごい違和感を覚えていました。

それは、メディアが『MMT』を「現代金融理論」と訳していたことです。

『Modern Monetary Theory』

研究者の『新英和大辞典(第六版)』で、Monetary の項を調べてみると…
1. 貨幣の,通貨の
a monetary convention = 貨幣協定
a monetary policy = 通貨(金融)政策
a monetary standard = 通貨本位
the monetary systetem = 貨幣制度
2. 金銭(上の);金融の,財政上の
monetary considerations = 金銭上の顧慮
monetary reward = 金銭による報酬
…とありました。

確かに辞書には「金融」という言葉もありますが、ふつうに訳したら「貨幣の」と訳すべきではないのでしょうか。

一昨年にお亡くなりになられた故・渡部昇一先生はご生前に「英単語には様々な意味があるが、コンテキストのなかでどれを選択するのかが肝である」と述べておられました。

どう読み込んでも『MMT』は、「貨幣」に関する理論書です。

ここは、ふつうに「貨幣」と訳すのが自然ではないでしょうか。

渡部昇一先生が存命なら、必ず『現代貨幣理論』と約されたはずです。

なのに、「Monetary Theory」 を「貨幣理論」と訳さず、あえて「金融理論」と訳しているところに真実を隠そうとする姑息さを感じると同時に、だれが訳したのか知りえませんが胡散臭さを感じ得ません。

詰まるところ、『MMT』即ち『現代貨幣理論』の普及によって「貨幣」の本質が白日のものに晒されてしまうと、これまで「日本の財政がぁ〜」と、存りもしない財政問題を騒ぎ立ててきた人たちにとって実に都合が悪いわけです。

「貨幣」についての本質を知れば、我が国に深刻な財政危機など存在していなことがよく理解できます。

冒頭に申し上げたとおり、どうしても『現代貨幣理論』の言う事実を認めるわけにはいかない人たちがいます。

わざわざ誤訳してまで彼らは抵抗しています。