〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 02 政治・経済

真摯な姿勢で歴史に向き合えないNHK2019/04/19    

NHK(日本放送協会)という放送局の傲慢さには、まこと辟易とするほかありません。

昨夜もまた不愉快な歴史番組(午後8時〜9時)が放映されていました。

その番組とは『関ヶ原の戦い 病と裏切りの西軍編』です。

NHKによれば「“関ヶ原の戦い”の勝負を分けたのは西軍の健康問題だった!?」らしい。

また、「西軍を裏切った小早川秀秋は深刻な病で自分が裏切ったことすら理解していなかった可能性が浮上!?」で、「裏切りが心と体に及ぼす驚きの影響を医学的に検証する…」という趣旨の番組でした。

医学的見地から歴史を検証しようとする試みにケチをつけるつもりは全くありません。

それはそれでいい。

しかしながら、“関ヶ原の戦い”については、既に一次史料による歴史検証(別府大学の白峰教授たち)により、これまで語られてきた定説は完全に覆っています。

にもかかわらず、その覆された定説をベースにしてNHKは番組を構成していました。

近代史をふくめ、この放送局は一次史料にもとづく歴史検証を意識的に無視する習性があります。

それでいて「公共放送」を名乗って憚らない、という厚かましい放送局です。

しかも極めて許せないのは「一次史料によれば、“関ヶ原の戦い”の開戦時間は定説より2時間も遅かった」と言って、一次史料の一部をご都合主義で摘み食いしつつ、基本的には定説に基づいて番組が構成されていた点です。

一次史料を丁寧に扱えば、そもそも合戦の主戦場が、もはや“関ヶ原”ですらなかったことが今や明白となっています。

一次史料とは、当時の人たち(武将・貴族・神官・僧侶・宣教師など)によって書かれた手紙や日記のことです。

後世(少なくとも50年後以上)の人たちによって書かれたものは、残念ながら二次史料となります。

これまでの定説では、東西両軍を合わせ総勢15万の兵が関ヶ原に集結し、午前8時ごろから合戦の火蓋は切られ、午前中は一進一退の攻防、正午ごろ徳川家康が松尾山に陣取っていた小早川秀秋に裏切りを促す威嚇射撃(問鉄砲)を放ち、裏切りを決意した小早川が西軍の大谷吉継隊に襲いかかり、戦局が一気に傾いて午後2時頃には決着がついた…とされています。

この定説となったストーリーは、江戸時代に書かれた軍記物語、あるいは幕府の編纂物など、まさに二次史料をベースにして作られたものです。

因みに、司馬遼太郎さんの『関ヶ原』という歴史小説も然りです。

また現在、世に出回っている定説「布陣図」は、明治26年に陸軍参謀本部が『日本戦史』で創作したものです。

陸軍参謀本部もまた、二次史料をもとに『日本戦史』を編纂しています。

一次史料によって“関ヶ原の戦い”を検証している第一人者、別府大学(文学部史学科)の白峰旬先生によれば…
① 戦いの主戦場は関ヶ原ではなく、関ヶ原から西に位置する山中であった!
② 合戦当日、石田三成も徳川家康も関ヶ原にはいなかった!
③ 小早川秀秋は堂々と当初から東軍の将として参戦していた!
④ 合戦当日は日本史上で「最も長い一日」ではなく「最も短い一日」だった!
⑤ 徳川家康は「大垣城攻略」を天下分け目の戦いだと考えていた!
…等々のことが明らかになっています。

これら一次史料にもとづく歴史検証を無視し、視聴率のためには部分的に一次史料を摘み食いして事実を歪め、結果として自国民に誤った史観を植え付ける。

それがNHKです。

毎年、こんな放送会社の予算が国会で平穏に議決されています。

機能せよ、国会!