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議会報告 02 政治・経済

食の独立を失う日本2019/04/16    

メディアは真剣に報じようとしていませんが、私たち日本国民の食料安全保障を脅かす政治的手続きが着々と進められています。

まず、昨年(2018年)12月30日には、TPP11(米国抜きの環太平洋連携協定)が発効されています。

しかも、米国を含めたTPP12の内容を11カ国にそのまま譲歩して…

それとセットで交渉されようとしているのが、TPP12以上の譲歩が為さられるであろう日米FTAです。

日本政府は「FTAじゃない、これはTAG(物品貿易協定)だ」と、名称を捏造してまで強行突破しようとしています。

「TPP以上の譲歩でいいですから…」と言って急がせた日欧EPA(経済連携協定)も既に今年(2019年)2月1日に発効されています。

さらにはRCEP(東アジア地域的経済連携)においても、TPP以上の譲歩で日本国民のための食料安全保障を危うくし亡国の道をひたすら進む日本政府なのです。

そもそもTPP水準そのものが大問題であったはずなのに、いつのまにかそれがベースラインとなっており、そこからさらにどこまで譲歩できるかの交渉になっています。

TPPがもたらす、食の安全の危機は概ね次の4つです。
①残留農薬規制の緩和
②収穫後の農薬使用が許可
③BSEリスクのある牛肉の輸入(年間出荷の1%の検査)
④遺伝子組み換え食品の輸入拡大(表示義務の撤廃)

因みに昨年12月、安倍政権は米国様の要求に応え、発ガン性の高いグリホサートの残留基準値について、小麦はそれまでの6倍、ライ麦やソバが150倍、ヒマワリの種子は400倍に引き上げています。

また欧米では、価格支持政策と直接支払い(財政負担)によって農家(農業)を保護しています。

日本の場合、国境での価格支持にあたる関税は平均的に低くなっており、直接支払いが農業所得に占める比率も極めて低い。

ご覧のとおり、フランス、イギリス、スイスに至っては、ほぼ公務員です。

それは、彼らが食料(農業)を通じて国民の命を守り、国土としての環境や国境を守る防人だからです。

そうした防人を国民全体で支えていくのは、欧米では当たり前の常識となっています。

当たり前でないのが、我が日本です。

しかも欧米では、食料は「武器」と認識されています。

例えば米国は、事実上の輸出補助金をふんだんに使って穀物輸出を振興していますが、まずは食料自給率を100%にし、その上で余剰生産量を増やし、それを輸出することで例えば日本人の胃袋を満たし牛耳る。

そのことにより、国家としての戦略的優位性を確保しています。

つまりは、農業(農家)への保護政策が農業の輸出競争力を損なう、というのは嘘です。

欧米は農業(農家)への保護政策によって輸出競争力を高めています。

少なくとも、TPPであろうが、TAGであろうが、EPAであろうが、あらゆる貿易交渉は、我が国の安全保障を脅かすことを前提に彼らは交渉を仕掛けてきていると考えなければなりません。

残念ながら、国家戦略の貧困が我が国の食料安全保障を危うくしています。