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議会報告 02 政治・経済

EUで栄え、EUで衰えるドイツ!?2019/03/24    

昨日に引き続き、EUの話し…

誤解を恐れずに言えば、経常収支の黒字とは、その国が「外国から(合法的に)奪った所得」を意味します。

具体的には、モノやサービスの輸出によって、あるいは邦人が外国で働いた報酬および外国での投資収益によって、外国との所得のやりとりを黒字化することです。

例えば、ドイツがギリシャに自動車を輸出すると、ドイツの貿易黒字(所得)が拡大します。

そしてギリシャ人がドイツ人に支払った自動車代金(ユーロ)を、ドイツ人がそのままギリシャ国内の不動産に投資し収益を上げると、それもまたドイツにとって所得収支の黒字になります。

むろん、対するギリシャの経常収支は赤字になります。

現に、EU発足後のギリシャの経常収支は下のグラフのとおりになりました。

この「貿易黒字」「所得収支黒字」の組み合わせこそが、かつて大英帝国が植民地インドで行ったように、典型的な帝国主義による植民地からの所得収奪構造です。

このように2008年ごろまでのドイツは、相対的に生産性の低い南欧諸国(ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガル)から所得を吸い上げていったのです。

そして東欧がEUに加盟した2004年以降のドイツの経常収支をみますと、あのヒトラーが第三帝国で成し得なかった東方拡大政策(経済的拡大)、即ち東欧(植民地!?)からの所得収奪が見事に実現していることがよく解ります。

かつて(1935年5月31日)国会演説でヒトラーは、次のように述べています。

「第一次世界大戦依以前のドイツは、その生存圏の中で富を蓄積することができた。だが敗戦によりドイツ経済が破壊され領土も狭められ、ドイツ国民は生存圏の狭さゆえ食料と原料の不足に悩まされている。だからこそ、我々はこの不当な状況を打破しなければならない」

かくしてヒトラーは、東欧(東方)に侵攻した。

いわゆる「東方生存圏」です。

東方生存圏とは、ドイツが東方(東欧方面)に支配地を獲得しなければゲルマン民族として相応の資源を獲得し生存することができない、という考え方です。

イギリス、オランダ、ベルギー、フランス、アメリカ、スペイン、ポルトガルなど他の西欧諸国はアフリカや東アジアに植民地を有していましたが、ドイツには植民地がありませんでした。(ドイツは第一次世界大戦の敗戦で植民地を失った)

だから東欧(東方)に領土や経済圏を拡大しなければならない、というのがヒトラーの考えでした。

その意味でEUは、ドイツにヒトラーの成し得なかった夢を実現させたとも言えます。

相対的に生産性の低い国の国民は、相対的に生産性の高い国の奴隷と化す、それがユーロ・グローバリズムの実態です。

とはいえ、ドイツの、ドイツによる、ドイツのためのEUは、ヒトラーなら絶対に行わなかったであろう「大量の難民受け入れ」によって混乱を招いています。

「おカネの移動の自由」というグローバリズムによって一度は繁栄したかに見えたEUですが、今や「ヒトの移動の自由」というグローバリズムによって崩壊しようとしているわけです。

各国の国境では難民の押し付け合い騒動が既に起きており、EUが描いた「多文化共生社会」は皮肉にも難民という「ヒトの移動の自由」で崩れ落ちようとしています。

少なくとも英国の離脱問題、いわゆるブレグジット問題は、ほんの「終わりの始まり」にすぎません。