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議会報告 02 政治・経済

移民流入スピード2019/03/18    

「ある共同体(community)に、ある他民族が、ある一定以上、ある一定速度以上で流入すると、その共同体は壊れる」

これは、イギリスの詩人トマス・スターンズ・エリオットの言葉です。

なるほど、共同体の秩序を維持している慣習の中に織り込まれてきた文化や伝統は、慣習の極端な変容によっていとも簡単に破壊されます。

エリオットが言うように、移民流入が一定数、一定速度の限界を超えてしまうと、様々な問題が起こりえます。

この流入速度というのは、例えばチャイナタウンとか、コリアンタウンとかいうコロニーの形成速度とは別の話で、全体的な共同体に同化する速度のことかと思われます。

ご承知のとおり、ヒト・カネ・モノの国境を超えた移動の自由を最大化するグローバリズムは、世界各地で移民流入問題を深刻化させていますが、我が国においても、対馬、北海道、その他の過疎地でエリオットが言うような問題を抱えています。

3月15日に発生したニュージーランド・クライストチャーチでの悲惨な出来事も、この延長にあるのだと思われます。

我が国の政治家たちは、移民の絶対数(比率)というストックしか論ぜず、エリオットの指摘している「流入速度」というフローについてはほとんど興味をもっていないようです。

マクロン大統領への不満からデモ(黄色いベスト運動)が絶えないフランス。

そのフランスの移民流入増加率(1990〜2016年)は、2.4倍です。

ブレグジット問題で揺れるイギリスのそれは、なんと2.8倍。

移民は無制限に入れなければならない、を鉄則とするEUから一刻も早く離脱したくなる気持ちは十分に解ります。

一方、ドイツのメルケル首相は「移民受け入れに制限はない」と豪語しつつも、その弊害に苦しむドイツ国民の反感を買い、ついに失脚することになりました。

そのドイツの移民流入増加率(1990〜2016年)は、2.0倍。

今回、凄惨な乱射事件が発生したニュージーランドのそれは、2.3倍(1994〜2016年)です。

さて、我が国はというと…

1.9倍(1990〜2016年)です。

エリオットの言葉どおりなら、やがて我が国においても「習慣の極端な変容」に迫られる日が訪れることになるのか。