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議会報告 政治・経済

「追加緩和策」という名の空箱!?2019/03/16    

日本銀行は昨日(15日)の金融政策決定会合において、金融政策の「現状維持」を7対2(政策委員会委員9人)の賛成多数で決定しました。

つまり、これまでどおり長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みによる政策運営を維持するということです。

また会合後、黒田総裁は朝日新聞の単独インタビューに応じ、目標としている物価上昇率2%への勢いが景気減速などで失われれば「当然、追加緩和策を検討することになる」と述べられました。

とはいえ、追加的に何ができるでしょうか。

黒田総裁は「様々なオプションとその組み合わせということがあり得る」として、①金利引き下げ②国債の買い増しの二つを挙げていますが、金利を引き下げるにしても政策金利は既にマイナス状態ですし、国債を買い増すにしても市場の国債も既に枯渇しています。

日銀による国債の買い増しといっても、国債保有者の内訳をみますと、政府が発行した国債の半分近くを既に日銀が保有しています。

量的緩和の際、日銀は主として民間銀行から国債を購入しますが、グラフをご覧のとおり民間銀行の国債保有率も既に15%にまで低下しています。

長期資金の運用もしなければならない民間銀行にとって、これ以上の売却は難しい。

因みに、19%を保有している生損保等だって、彼らのビジネスモデルを壊してまで日銀に国債を売却してはくれません。

というか、仮にこれ以上、日銀が国債を購入したところで、ひたすら日銀当座預金(民間銀行が日銀にもっている当座預金)におカネが積まれていくだけの話で、それによって景気やインフレ率には何ら影響しません。

6年間におよぶアベノミクス(緊縮財政)がそのことを既に証明しています。

下のグラフをご覧のとおり、日銀当座預金残高は今や 385兆円(2月末現在)にまで達しています。

それでいて、インフレ率はゼロ%台。

インフレ率(物価上昇率)の低迷は、モノやサービスが購入されていないことを示しています。(インフレ率はマイルドに上昇していくべき指標です)

どんなに日銀当座預金を積み増したところで、それにより民間部門への貸出が増えるわけではありません。

因みに、日銀当座預金を借りることのできる経済主体は政府だけです。

政府が日銀当座預金を借りることを「国債の発行」といいます。

要するに、政府が国債を発行しないのであれば、日銀の量的緩和(日銀当座預金の積み増し)など何の意味もありません。

詰まるところ、日本銀行は一度も引き締めができないままに更なる景気後退期を迎えることになりそうです。

次の景気後退局面に備えて、徐々に政策金利を引き締めている米国とは違いって…

求められているのは金融緩和策ではなく、需要を創造するための「財政出動」です。