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議会報告 政治・経済

歴史という情報戦を戦う(その9)2019/03/05    

日清戦争が、朝鮮の独立をめぐる戦争であったことは、両国の宣戦布告書をみるとよく解ります。

日本は宣戦布告の中で「日本は朝鮮を啓蒙し、他の国と一緒になって朝鮮を独立国にしようと努めましたが、清国は朝鮮を属邦と言って陰に陽に内政干渉している」として、あくまでも朝鮮の独立のために戦うとしています。

一方、清国は宣戦布告の中で「朝鮮が清国の属邦であることは二百年以上にも及び、毎年貢ぎ物を贈っていることは世界中が知っている」と言っています。

因みに、戦争に際し、清国がまったく国際法を遵守しなかったことはこの稿では特筆しませんが、そのこともまた日本国民としてぜひ知るべき歴史だと思います。

さて、日清戦争が日本側の圧倒的勝利で終わったことは周知のとおりです。

日清戦争の戦後勝利、即ち講和条約(下関条約)の条文を見てみましょう。
……
1. 清国は朝鮮国が完全無欠の独立自主の国であることを承認する
2. 清国は遼東半島、台湾全島及び澎湖列島を永遠に日本に割与する
3. 清国は軍事賠償金2億テールを支払う
4. 日清間の一切の条約は交戦のため消滅したので新たに通商航海条約を結ぶ
5. 本条約批准後、直ちに捕虜を返還する。清国は送還された捕虜を虐待あるいは処刑せぬこと

以上が日清講和条約(下関条約)の骨子です。

当時、戦勝国がおカネや領土をもらうのは、現在においても裁判で勝訴したものが慰謝料や裁判費用を請求するのと同じ感覚です。

ところが、いわゆる「三国(ロシア・フランス・ドイツ)干渉」によって、下関条約で合法的に割譲された遼東半島を日本は放棄させられることになりました。

むろん、それを画策したのは清国です。

夷(白人列強)を以て夷(日本)を制す、という清国の古典的な手法です。

とはいえ、ロシア、フランス、ドイツの3国を使って日本を遼東半島から追い出した結果、次々と清国の領土は白人列強に侵食されていくことになりました。

哀れ…というほかありません。

一方、朝鮮半島も依然として政局が安定せず、清とロシアが陰に陽に介入して、朝鮮の独立と近代化は未だ実現する気配を見せませんでした。

そうした中、1899(明治32)年、清国の山東省において義和団という武装集団が排外運動を起こし、北京の外国公使館を包囲するに至ります。

いわゆる「義和団事件」(北清事変)です。

この義和団事件を利用して、ロシアが続々と満洲に軍隊を送り込み、なんと満洲は実質的にロシア領と化してしまいます。

このことは、日本の地政学(安全保障)上、見過ごすことのできない深刻な事態でした。

繰り返しますが、依然、清国と朝鮮半島が独立国として近代化してくれなかったことが、日本にとっては実に不幸な事態だったのです。

義和団事件終息後も、ロシアは「満洲還付協約」に反し、依然として満洲に居座り続け撤兵しません。

やがてロシアは、対韓侵略の意志を露骨にしていきます。

まず手はじめに、朝鮮鴨緑江河口にある竜岩浦(りゅうがんぽ)という港を軍事占領し、韓国に対し強引に租借契約を結ばせました。

次いで、竜岩浦の要塞化工事をすすめポート・ニコラスというロシア風の名前に変えてしまいます。

当時の朝鮮に、ロシア対韓侵略への抵抗力はゼロ。

要するに、朝鮮半島がロシア化していったのです。

ご承知のとおり、朝鮮半島のロシア化は、我が日本国の地政学(安全保障)上の最大の危機です。

現在においても、もしも朝鮮半島が北朝鮮主導で統一され、その統一朝鮮が親中朝鮮となれば、日本にとっては地政学(安全保障)上の脅威です。

ましてや世界的な帝国主義時代の当時、もしも朝鮮半島がロシア化してしまえば、日本のロシア化も時間の問題となります。

なんとしてでも大国ロシアとの戦争を回避したい日本は、ロシアとの交渉を開始します。

明日につづく…