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議会報告 01 川崎市政

緊縮財政で縮む、介護、医療、公共事業2019/02/12    

政府や地方行政の一貫した緊縮財政によって…
働き手の所得が引き下げられ、
人手不足が深刻化し、
生産能力が著しく毀損されている代表的な供給分野が3つあります。

それは「介護サービス」「医療サービス」「公共事業」の3分野です。

これら、介護、医療、防災、インフラなどの産業は、とくに公共性が高く単体では利益を出しにくい分野です。

例えば、典型的なのは道路。

国道であれ、市道であれ、県道であれ、有料道路でないかぎり、当然のことながらどれも赤字路線です。

しかしながら、赤字路線であっても整備しなければならないのが「道路」です。

なぜなら道路は、単に人や車両などの交通流の円滑化を図るだけでなく、災害時には救援路や避難路となり、火災発生時には延焼遮断空間にもなります。

また、上下水や電気やガスなどの都市インフラを埋設でき、中央分離帯や沿道の緑化は環境形成にも役立つなど、道路は国民生活にとって極めて重要な社会インフラなのです。

あるいは医療サービスにおいて、「外国人専用医療ツーリズム病院」の開設を目論んでいるようなどこぞやの医療法人も顔負けに、医療機関がひたすらに「利益」を追求したらどうなるでしょうか。

事実上、患者側には選択肢がない分野ですので、医療を提供する側はボロ儲けです。

加えて、保険適用外の自由診療のサービス価格は青天井となり、例えば点滴一本で何百万円の世界となります。

それでも患者サイドは、何しろ自分の生命がかかっている以上、高額な医療費を支払わざるを得ません。

当然のことながら、それでは医療安全保障が成立しているとは言えません。

介護サービスにしても、サービス供給者側が利益追求に徹すれば、サービス価格はひたすら上昇していき、介護サービスを受けられず悲惨な最期を遂げるご高齢者が続出することになります。

即ち、インフラ整備、医療、介護などの公共性の高い分野で「市場原理」を追求しすぎると、社会の不安定化を招くことになります。

ゆえに、これら3分野こそ、財政を含めて政府や地方自治体が積極的に介入しなければならないわけです。

高度成長期の我が国は、今とは正反対に積極財政によって社会インフラを整備し、国民が等しく医療や老後のことをあまり心配しなくてもいい安定的な社会を構築し、その下で世界屈指の経済成長を成し遂げました。

ところが、バブル崩壊後の1995年、当時の竹村蔵相から突如として「財政危機」が宣言され、我が国に財政均衡主義(緊縮財政)の猛威が荒れ狂い、政府は公共事業費、診療報酬、介護報酬の削減に邁進するようになってしまいました。

結果、人材を含めた虎の子の供給能力が、3業界から失われていくことになりました。

今や建設業の許可業者数は、ピーク時より約14万社も減少しています。

自然災害大国の我が国において、建設業界のヒト・設備・技術は虎の子の供給能力です。

それが毀損され続ければ、我が国の災害対応能力はいたずらに低下するばかりです。

次いで我が国の医師数は、OECD加盟国の平均と比較すると13万人不足しています。

高齢化や現実の医師の超過労働時間を加味すると、不足数は20万人に膨れ上がるという試算もあります。

そして、我が国の介護福祉士の数は140万人を超えていますが、従事率は低く、資格者の4割以上が介護の現場で働いていません。

その理由は様々あるのでしょうが、労働環境のわりには賃金水準が低い(産業平均に比べて低い)ことが主たる要因かと思われます。

今後一層、公共事業費、診療報酬、介護報酬が切り詰められることになれば、むろん賃金水準は上がらず、人材が戻ることもなく、人手不足はより深刻化し、外国人労働者受け入れの声がますます高まっていくことになります。

結果、我が国は、これまでとは「まったく異なる国」に変貌することになるでしょう。

誤った財政均衡主義(緊縮財政)は、国民経済を貧困化させ、国の形を変えるほどの弊害をもたらしているのです。