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議会報告 政治・経済

三年殺しの消費税2019/01/29    

日本銀行がマイナス金利政策(短期金利をマイナス0.1%に誘導)を決めてから、本日(1月29日)で3年になるとのこと。

『マイナス金利3年、日銀 次は追加緩和か利上げか
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40561000Y9A120C1EE8000/
日銀が短期金利をマイナス0.1%に誘導する「マイナス金利政策」を決めてから29日で3年になった。「2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現するため」(黒田東彦総裁)とうたったが目標達成はまだ見えず、政策への評価は定まらない。一方で世界経済に減速感が強まり、エコノミスト20人の今後への見方は「追加緩和」と「利上げ」で割れている。(後略)』

記事中にある「短期金利」とは、償還期限が1年未満の資金を貸し借りするときの金利のことです。

民間の銀行同士が貸し借りするときの「無担保コール翌日物」金利が、短期金利の指標になっています。

身近なところでは、私たちの定期預金や普通預金の金利(1年未満)などがこれに基づいて決定されています。

因みに、なぜ「コール翌日物」なのかといえば、銀行同士が「今日借りて、明日返す」、あるいは「今日貸して、明日返してもらう」といったように、わずか1日で満期を迎える資金だからです。

翌日に返す、即ち「翌日に返事(コール)をしてくれる」から「コール翌日物」と言います。

なお、借り手が貸し手に対して担保を預けずに行う取引なので、この金利のことを「無担保コール翌日物金利」といい、あるいは「無担保コールレート(オーバーナイト物)」「無担保コール・オーバーナイト・レート」などとも呼ばれています。

グラフにするとご覧のとおりですが、こうしたマイナス金利の目的はむろん「2%の物価上昇」(デフレ脱却)にあります。

ですが、下のグラフのとおり、まったくもって目標は達成されていません。

さて、日銀が指標としているコアCPI(青い折れ線)には原油などのエネルギー価格が含まれています。

そもそもエネルギーの輸入大国である日本においてコアCPIを指標にしているのはおかしな話で、本来は食料及びエネルギー価格を含まないコアコアCPI(緑色の折れ線)を物価指標とすべきなのですが、なぜか日銀は依然としてコアCPIを指標としています。

上のグラフをご覧のとおり、価格変動の激しい原油価格を含めても、コアCPIはなかなか2%に到達していません。

より現実を映し出しているコアコアCPIの推移をみますと、2017年以降、マイナス化し、2018年以降はゼロ%にへばりついています。

2014年4月の消費税増税(5%→8%)の悪影響が、増税3年目となる2017年以降に一気に日本経済に襲いかかっていることが解ります。

まさに、藤井聡(京都大学大学院教授)先生の言われる「三年殺しの消費税増税」ですね。

どんなに「利下げ」というアクセルを踏んだところで、同時に「消費税増税」というブレーキを最大限に踏んでいるのですから、車が前に進むはずもありません。

今や、タイヤやエンジンから黒煙が出始めています。

この上さらに消費税を増税(8%→10%)しようとしているのですから絶望的です。

前述の記事では、エコノミストたちが「追加緩和」「利上げ」で割れているとなっていますが、政府の緊縮財政によって市場の国債が既に枯渇しているため、これ以上の量的緩和(日銀による国債購入)は物理的に不可能ですし、利下げの余地もほとんどありません。

それに、物価(コアコアCPI)が全く上昇していないなかで「利上げ」などしようものなら、さらにデフレ化してしまいます。

つまり日銀にできることはもう何もありません。

事態を打開する唯一の術は、消費税増税を凍結/延期し、政府による財政支出を拡大するのみです。