〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 政治・経済

おカネの定義を誤ると、国は衰退する2019/01/26    

昨日(1月25日)は、ラジオ日本『マット安川のズバリ勝負』(AM1422kHz)に出演させて頂きました。

多くのリスナーの皆様から、番組宛てに多くの暖かい応援メッセージを頂戴しました。

心より、感謝御礼申し上げます。

さて、番組でも申し上げましたが、現今日本における最大の政治問題は、為政者やメディアを含めた国民大多数の「財政認識」だと思います。

その「財政認識」とは即ち…

「日本は借金大国」だから、消費税を増税しなければならない!

「日本は借金大国」だから、財政支出を拡大してはならない!

「日本は借金大国」だから、国債を発行してはならない!

「日本は借金大国」だから、公共事業は減らすべきだ!

「日本は借金大国」だから、医療は崩壊する!

…と言ったところでしょうか。

こうした誤った「財政認識」が地方行政にまで及んで「このままでは川崎市も破綻する〜」と、いたずらに歳出カットを叫ぶ輩までもが出現しています。

政令指定都市のなかでも「No.1」の財政力をほこる川崎市が破綻するなら、きっとそこいらじゅうの自治体が破綻することでしょう。

それに、本当に日本政府が破綻(デフォルト)する可能性があるのであれば、どうして日本政府の発行する国債金利が「0%」台で推移しているかの説明がつかない。

本気で日本政府が破綻すると信じているのなら、預貯金を含め手持ちの「円」をすべて外貨に両替するべきだと思うのですが、そんなことをする日本国民など皆無でしょう。

仮にそのような指摘でもしたら、「そんなことはよく解らないけど、とにかくマスコミが財政危機だと言っているのだから危機なんじゃないの?」と逆ギレ質問されそうです。

詰まるところ、「財政」への正しい理解は、「貨幣」(おカネ)への正しい理解が必要です。

おカネの定義は、債権と債務の記録です。

例えば紙幣はその記録媒体に過ぎず、紙幣そのものに金属的な価値はありません。

そこで、歴史上の人物に登場して頂きます。

その歴史的人物とは、江戸幕府の勘定奉行、荻原重秀です。

勘定奉行とは、現代でいうところの「財務大臣」もしくは「財務省の事務次官」です。

ご承知のとおり、江戸時代の通貨は金の価値に依存した金貨でした。

ところが当時、金銀の産出量には有限性があるため、産出量の低下などにより貨幣不足によるデフレ不況が慢性化していました。

そこで荻原重秀は「貨幣は国家が造る所、瓦礫を以ってこれに代えるといえども、まさに行うべし」と述べ、現代の管理通貨制度に近い発想で金銀の含有量を減らした元禄の貨幣改鋳を行いました。

その結果、幕府の歳出を拡大することが可能となり、デフレ脱却を果たし江戸経済に好景気をもたらしたのです。

荻原重秀が偉大なのは、あの時代に既に「貨幣とは債権債務の記録に過ぎない」ことを完璧に理解していたことです。

ただ、江戸経済のモノやサービスをつくる力が無限だったとしたならば、幕府の通貨発行権に上限はないのですが、さすがに供給能力は無限ではないので、やがて貨幣供給が過剰となってインフレ率は上昇することになります。

本来であれば、インフレ率が2%を超えたあたりで出口戦略を採ってインフレ率を抑制しなければならなかったのですが、現代のように正確なインフレ率を把握できる時代ではなかったので、当時としては致し方なかったことだと思います。

荻原重秀が失脚してのち、幕府は荻原の貨幣改鋳を悪しき事例とし、再び金属主義に戻ることになります。

以降、江戸経済はデフレが常態化していくことになります。

この慢性的デフレによる経済的不満が庶民の中に滞留してゆき、そのことがやがて起こる倒幕運動のエネルギーにつながっていったのだと私は推測しています。

今も昔も、おカネの定義を間違えてしまうと国は衰退するのです。