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議会報告 01 川崎市政

「外国人専用医療ツーリズム病院」は川崎市だけの問題ではない2019/01/25    

葵会という医療法人が川崎市内に「外国人向け医療ツーリズム病院」(病床100床)を開設しようとしています。

昨日(1月24日)も川崎市議会(健康福祉委員会)で、この件についての審議がありました。

外国人向け医療ツーリズムとは、わたくし流に定義すると「金持ち外国人を対象に日本の最先端医療を提供することで利益追求のみを目的とする病院」です。

さて、病床(病院のベッド)は日本国民の公共財です。

医療機関が勝手に増やしたり減らしたりすることはできません。

なぜなら、医療法という法律があり、都道府県の監督指導のもと各医療圏(二次医療圏)ごとに病床数が相応に管理されているからです。

そのことによって、私どもすべての日本国民が、できうるかぎり等しく安全で安価な医療を受診することができる「地域医療」と「国民皆保険」が成立しているわけです。

即ち、「地域医療」と「国民皆保険」を守ることは、私たちすべての日本国民にとっての生命線なのです。

しかしながら、現行法制のもとでは、もしも当該医療法人から「外国人専用医療ツーリズム病院」開設のための申請が提出されてしまうと、保険適応外の病院として病床100床を有する「外国人専用医療ツーリズム病院」が開設されてしまうことになります。

当該医療法人は、べつに保険適応外(自由診療)であっても充分に利益を確保できると踏んでいます。

その場合、私たち日本国民の公共財としての病床が、外国人のために奪われることになります。

例えば川崎市の場合、すでに既存病床が基準病床を上回っているため、今後は新たな「日本国民たる川崎市民」のための病床を増設することはできなくなります。

開設申請が提出された際、神奈川県知事が当該医療法人に対して「開設しないように…」という「勧告」を出してくれればいいのですが、もしも出さなかった場合、外国人専用病院であるにもかかわらず、健康保険が使える(保険診療ができる)病院となってしまいます。

とはいえ、繰り返しますが、神奈川県知事が「勧告」を出したとしても、保険診療対象外の病院としてならば問題なく開設されることになります。

それに、もしも当該病院が医師や看護師の引き抜きを行えば、日本国民のための医師や看護師が不足することにもなります。

ご承知のとおり、民主党政権時代に住民基本台帳法が改正され、外国籍の住民であっても日本国内に3カ月以上滞在すれば「国民健康保険」に加入できるようになりました。

以来、日本国民のナショナリズムによって成立している「国民健康保険」をあきらかに高額医療目的で来日したとしか思えない外国人が最短期間・最小限の保険料支払いで利用できるという信じがたいものになっています。

安倍政権は経済戦略の一環と称して「医療ツーリズム」を推進しています。

規制改革会議は、医療滞在ビザについて、一定の条件を充たせば申請書類の簡素化や最優先審査等によって申請から発給までの期間を大幅に短縮(できれば即日発給)できるように提案しています。

こうした人たちが3カ月以上滞在したら「国民健康保険」を受けられるわけです。

最初の3カ月は自費により外国人専用病院で、そのあとはしっかり市内の病院で
「国民健康保険」によって高額医療を享受するという流れが定着するかもしれません。

現在のところ当該医療法人は「保険診療対象外の病院として開設したい」
という意向のようですが、やがてはどうなるかわかりません。

三橋貴明先生が常々ご指摘されておられるように、とりあえずは限定的にはじめ、
徐々に対象を拡大していくのが規制改革会議の常套手段です。

つまり10年先に「保険診療対象」病院に絶対にならないと誰が約束してくれるのでしょうか。

この「外国人専用医療ツーリズム病院」問題は、けっして川崎市だけの問題ではありません。

もしも川崎市において、このような病院の開設が認められてしまえば、これが悪しき前例となって全国各地に波及していくことになるでしょう。

それは、日本国民のナショナリズムによって成立している「地域医療」と「国民皆保険」の崩壊のはじまりです。