明日は、午後12:30からラジオ番組『ラジオ日本・マット安川のズバリ勝負』(AM1422kHz)に出演させて頂きます。
さて昨日(23日)、日銀では金融政策決定会合が開かれました。
結論は、賛成多数で現状維持とのこと。
現状維持とは、短期金利はマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度に誘導する長短金利操作の継続です。
なお、2019年以降の物価見通しは下方修正されるのだとか。
黒田総裁によれば、原油価格の下落が下方修正の主たる要因とのことですが、そもそもエネルギー資源の輸入大国たる我が国において、エネルギー価格を含めた消費者物価指数(コアCPI)を指標にしているところに無理があると思います。
国内でのより正確なインフレ率を把握するには、やはり生鮮食品とエネルギー価格を除く総合消費者物価指数(コアコアCPI)を中央銀行としての指標にすべきかと思われます。
なぜなら、エネルギー価格という外的要因よりも、国内要因によってどれだけ物価が上がり、どれだけ下がったかを把握しなければあまり意味がないと思うからです。
さて、直近(2018年12月)の消費者物価指数は、エネルギー価格を含むコアCPIが0.7%、含まないコアコアCPIが0.1%でした。
上のグラフをご覧のとおり、エネルギー価格を含まないコアコアCPIは、依然として0%付近にへばりついています。
インフレ率が上昇しないということは、日本国内におけるモノやサービスを購入する力、即ち内需が弱いということです。
政府はデフレギャップ(需要不足・供給過多)を認めようとしませんが、「低いインフレ率」という現実をみるかぎり、日本経済にはデフレギャップが存在しているのではないでしょうか。
どんなにモノやサービスが大量に生産(供給)されたところで、それをおカネと引き換えに購入してくれる人や企業や行政が存在しないかぎり、GDPにはならず経済は成長しません。
物価以上に実質賃金が上昇しないデフレ経済下においては、個人や家計や企業に「おカネを使ってくれ」と言ってところで虚しいものです。
所得が増えず先行き不透明な中で消費を拡大する家計など極わずかでしょうし、需要拡大を見込めない景気情勢で投資を拡大する企業も皆無でしょう。
よってここは、通貨発行権を有する政府、及び徴税権を有する地方行政の出番です。
即ち、財政支出の拡大です。
日銀は国債を購入することで政府債務を消滅させることはできても、モノやサービスを購入することはできないのですから。
なのに、ネオリベラリズムに基づく緊縮財政思想が、国においても地方においても行政による歳出拡大を阻んでいます。