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議会報告 02 政治・経済

通貨とは表券化された「債務」だ2019/01/21    

米国では、政府機関の一部閉鎖が続いています。

トランプ大統領はメキシコ国境に壁を建設するための予算を議会に要求していますが、連邦債務が上限を超えてしまうことからトランプ大統領と議会とが衝突しているわけです。

それが政府機関の一部閉鎖の原因ですが、メディアが騒いでいるほど経済的な悪影響は少ないようです。

この債務上限問題をきっかけとした政府機関の一部閉鎖は、今や米国の季節行事となっています。

我が国と同様、自国通貨(ドル)建てで国債を発行している米国政府が債務不履行(デフォルト)に陥る可能性はゼロ%です。

それなのに、わざわざ意味のない「債務上限」を設定することで予算措置を滞らせ、国民生活を犠牲にしてまで、あえて政府機関を一部閉鎖するという政治的デモストレーションを行っているわけです。

あろうことか、2008年のリーマン・ショック以降は、債務上限に加えて「歳出上限」まで設けています。

まことに滑稽です。

債務上限、及び歳出上限問題にともなう政府機関の一部閉鎖は連邦議会のまさに政治的見せ場⁉ と化し、とにかく財政危機を煽り、政府の歳出を削減させることが「議会の務め」であるかのように誤解しているようです。

ウォール街の投資家やグローバル企業から資金的に支援されている議員が「緊縮財政」を訴えるのは解ります。

なぜなら、財政支出の拡大はインフレ率の上昇につながるからです。

インフレ率の上昇は投資家の資産価値を下落させることになりますので、投資家たちは緊縮財政によるディスインフレ経済(物価が上昇しない経済)を求めます。

グローバル企業にしても、人件費を抑制できるディスインフレ経済は居心地がいい。

むろん、インフレ率と人件費を抑制できれば、株主配当の原資となる純利益を確保することができるからです。

グローバリズムは、残念ながら国民のためには存在していません。

ただただ株主とグローバル企業の経営者たちの利益を最大化させるためのシステムであり、ディスインフレという通貨価値の上昇状態こそが彼ら彼女らグローバリストたちの最適な経済環境なのです。

こうした状況から脱出するためには、政府部門が歳出を拡大することが急務です。

べつに民間部門による歳出拡大でもいいのですが、需要不足気味のディスインフレ状態では民間部門の資金需要は乏しい。

だからこそ、政府部門が歳出を拡大する出番なのです。

さて、歳出の拡大とは、即ち「通貨量の拡大」であり、通貨量の拡大とは「借金の拡大」でもあります。

通貨とは表券化された「債務」だからです。

例えば、通貨には預金通貨と現金通貨の2種類がありますが、そのほとんどが預金通貨です。

皆さんが銀行におカネを預けたとき、通帳の「お預かり金額」の欄に金額が記載されます。

逆に預金を引き出すと、通帳の「お支払い金額」の欄に金額が記載されます。

ぜひ、通帳をよく見ていただきたいのですが、銀行の預金通帳は必ず「お預かり金額」が右側に、「お支払い金額」が左側に位置しています。

なぜなら、バランスシート(貸借対照表)では、必ず負債は右側(貸方)にあるからです。

そうです。

皆さんの預金は資産(借方)ですが、銀行にとっては負債(貸方)なのです。

おカネとは必ず誰かの「負債」であり、誰かが負債を減らしてしまうとおカネの量が減ることになります。

おカネの量が減ると、おカネの価値が上昇しますので、ディスインフレどころか経済はデフレ化します。

現在の日本がそうです。