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議会報告 政治・経済

政府の消費税増税対策は効果なし2019/01/19    

京都大学大学院教授の藤井聡先生によれば、今年10月に予定されている消費増税(8%→10%)によって、なんと6.3兆円もの家計負担が増えるのだそうです。

それに対して増税賛成派は「6.6兆円の対策を講じるのだから大丈夫だ」という。

◇6.6兆円対策の内訳◇
・軽減税率の実施      1.1兆円
・幼児教育無償化      2.8兆円
・診療報酬等による補填等  0.4兆円
・臨時特別の予算措置(※) 2.0兆円
・税制上の支援       0.3兆円

とはいえ藤井先生は、この6.6兆円の対策を行ってもなお増税ショックを払拭することはできず、4〜6兆円のGDPを喪失させるとされています。

まず、政府の対策のうち、幼児教育無償化と補填・ポイント還元等の3.5兆円分は、政府が各家計に直接「支給」するものですが、家計は必ずしもこの3.5兆円を全て、使うとは限らないからです。

なるほど、以前に川崎市が発行した「プレミアム商品券」のときもそうでした。

1万円のプレミアム商品券を購入すると、1万2千円分の商品が購入できる制度でしたが、得した2千円分が貯蓄にまわってしまえば経済効果はゼロです。

例えば、ふだん毎月20万円を消費支出していた家計が、プレミアム商品券の購入によって20万2千円を使ってくれれば、2千円分の市内GDPが増えることになり、市内GDPが増えれば、むろん税収が増えます。

ところが、プレミアム商品券を購入しても、得した分が貯蓄に向かってしまえば市内GDPも税収も増えません。

その点、行政が直接的におカネを使うことのほうが確実な経済効果(GDP拡大)を生み出すわけです。

政府が行おうとしている「消費税増税対策」も同じことです。

藤井先生によれば、政府の「乗数効果の想定」から推定すると、我が国の家計貯蓄率は7〜8割以上とのことです。

つまり、もしも家計が、その半分を貯金に回すとすれば「3.5兆円の政府支出は、1.75兆円の経済効果しか生まない」ということになります。

また今回は、税率が「10%」という極めて“キリの良い数字”になることから、そのネガティブ・インパクトは、過去の増税に比べてより大きくなることが考えられます。

そりゃぁ、そうですね。

もし「5,000円」の買い物をしたら、消費税は「500円」てな具合に…

これを「税の顕著性」(税の分かりやすさ)といい、「税の顕著性」だけでも、政府想定よりもさらに1〜2兆円の消費縮退を覚悟すべきなのだとか。

即ち、①家計貯蓄率、②税の顕著性…この二つの要因から、仮に政府の対策をすべて講じたとしても、消費税増税(8%→10%)による悪影響は、4~6兆円程度のGDP減となることが予測されます。

デフレは払拭されるどころか、むしろ深刻化してしまうことは必至です。

詰まるところ、政府(行政)がおカネを使うことを悪とする「財政思想」が、増税対策をも無力化しているわけです。