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議会報告 政治・経済

財政出動という円高対策2019/01/18    

いわゆる主流派経済学には「セイの法則」という不思議な法則があります。

なんと「供給は自ずと需要を生み出し、生産物は必ずすべて売れる」のだそうです。

市場には価格調整機能とやらがあるので、「売れなければ売れる価格になるまで値が下がる」だから「やがては必ず売れる」という原理だそうです。

とはいえ、これは明らかに「生産性の低い」あるいは「モノが常に不足していた時代」の考え方であり、現在のようにデフレでモノ余り状態になっているときには成立し難い原理です。

多くの企業が在庫を抱えて苦労している現実を、どのように説明するのでしょうか。

因みに、セイの法則を前提にした経済学は「為替相場での通貨安(円安)は輸出の増加をもたらす」と考えます。

ところが、為替相場と対米実質輸出指数の推移を比較すると、次のグラフのようになります。

常に米国に需要があるのであれば、たしかに円安は対米輸出の拡大をもたらすことにつながるでしょうが、いかに円安とはいえ米国に需要そのものがなければ対米輸出は拡大しえない。

上のグラフはそのことを示しています。(2008年1月〜2018年11月の相関係数は「0.35」)

さて、今朝のブルームバーグの記事。

『日銀は100円突破の円高で追加緩和、効果ないとの見方が過半数-調査
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-17/PLGDOS6JTSEA01?srnd=cojp-v2-domestic
日本銀行はドル・円相場が1ドル=100円を超える円高になれば追加緩和に踏み切るとエコノミストの多くはみている。(中略)追加緩和の効果に関しては「ない」との回答(24人、53%)が「ある」との回答(21人、47%)を上回った。(後略)』

為替相場が1ドル=100円を超える円高になった場合、①日銀は追加緩和するけれど、②その効果はない、というのが大方のエコノミストたちの見解なのだとか。

思うに、「緩和の効果がない」というより、「追加緩和の余地そのものがない」といったほうが適切ではないでしょうか。

金利は既に「超」が2つ付くほどの低金利で、加えて政府が頑なに国債発行を抑制しているのもだから市場の国債は枯渇していて量的緩和(日銀による国債購入)を加速することにも限界があります。

このごろは、何でもかんでも日銀に期待するむきがありますが、日銀は打ち出の小槌ではありません。

行き過ぎた円高が国益を損なうのであれば、円高とは円の価値が高くなることなのだから円の量を増やしてその価値を下げればいい。

即ち、世に出回るおカネ(総需要=名目GDP)を増やせばいい。

誰が?

むろん、日銀ではなく政府が…

財政出動によっておカネの流通量(名目GDP)を増やすという意味においては、財政政策もまた立派な金融政策の一つなのです。

セイの法則を前提とする主流派経済学が認めたがらない事実です。