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議会報告 川崎市政

未補修道路でつまずくローマ市民2019/01/17    

イタリアローマの「トレビの泉」に投げ込まれるコイン。

ヨーロッパに行った経験がないので、泉にコインを投げ込む気分とはどのようなものであるのかよく解りませんが、泉に背を向けてコインを投げ込むと「再びローマを訪れることができる」という言い伝えがあるらしい。

これまで泉に投げ込まれた浄財は慈善団体に寄付されてきたようですが、財政難にあえぐローマ市が「市の財源として文化財の補修にあてたい」としたところ、さっそく現地では反対の声が上がっているのだそうです。

投げ込まれる金額は年間およそ150万ユーロ(日本円にしておよそ1億8,600万円に相当)で、慈善団体への寄付はホームレスや貧困家庭への支援金として使われてきたといいます。

ローマ市長が「泉のおカネ」を市の財源とする方針を示したところ、ローマ市議会も承認したとのことです。

なにせローマ市では、財政難を理由に穴のあいた道路が補修されないまま放置され、それでケガをする市民が出ているほどだとか。

「すべての道はローマに続く」と言われたほどに、道路によって覇権国となったあのローマ帝国発祥の地とは思えない事態です。

生活道路の補修すら儘ならないがために文化財の補修も滞っているらしく、そもそも「トレビの泉」さえも4年前に有名ブランドからの寄付を受け、やっとのことで補修工事を行ったといいます。

なぜローマ市長もローマ市議会も、例によって「金属主義」なのでしょうか。

まるで、金貨や銀貨を唯一の通貨(財源)としていた中世の封建領主と同じ発想です。

地方財政制度が日本とは異なるでしょうから一概には言えませんが、基本、公共インフラ(償却資産)は起債財源で賄われるべきかと考えます。

例えば、住宅ローンを組まずに手持ちの現金だけで家(償却資産)を建てるとしたら、現金が貯まるまで何年かかるかわかりません。

それに、道路は住宅とは異なりストック効果で税収を稼ぎます。

その点、道路こそ、起債してでも整備すべきインフラ中のインフラのはずです。

詰まるところ、おカネそのもには金属価値はなく「債権・債務の記録媒体」に過ぎないのですが、「金属主義」に陥り、おカネを金貨や銀貨などの貴金属だと認識してしまうとローマ市長やローマ市議会のような「現金がないから公共事業ができない」という発想になってしまいます。

ただ、共通通貨ユーロを導入しているイタリアは独自通貨を発行する金融主権を喪失していますので、金融主権(通貨発行権)を有している日本とは置かれた状況が異なります。

もしかするとイタリアでは、我が国以上に地方自治体の起債には厳しい制約条件が課せられているのかもしれません。

ローマ市はともかく、残念ながら我が国でもまた、政府を含め全国の地方自治体が彼らと同様におカネを「金属主義」で捉え愚かな財政運営(緊縮財政)を行っています。

繰り返します。

現金通貨だけがおカネ(通貨)ではありません。

預金通貨もまた立派なおカネ(通貨)なのです。

「金属主義」にどっぷり浸かってしまうと、現金だけがおカネであり、現金だけが財源であるかのような誤った貨幣観及び財政論に陥ってしまうことになります。