〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 政治・経済

都市ガスの利便性を高めた「投資、投資、投資」2019/01/09    

現在、私たちの利用する都市ガスは、その97%を天然ガスが占め、その輸入依存率は97.7%(2016年)です。

今日において私たち日本国民は当然のように都市ガスを消費しておりますが、大量かつ安定的な天然ガスの輸入を具現化するに至るまでは、現場の皆様の弛まなく苛烈なご努力がありました。

我が国は1956年に国連に加盟し「もはや戦後ではない」状態でにまで復興していましたが、さらなる発展の鍵はエネルギー資源の安定確保にありました。

とりわけ主力エネルギーだった石油は、産出地がサウジ、イラン、イラクなどの中東に偏っていること、また硫黄酸化物(SOx)の排出量が多いなど環境面での問題を抱えていました。

そこで、白羽の矢が立ったのが「天然ガス」です。

天然ガスは、産出地が世界に分散しており、石油や石炭とは比べようもないほどに環境への負荷も軽減できるという利点がありました。

ただ、天然ガスは「気体」であるため、島国である我が国ではパイプラインを敷設して外国から輸入することは不可能でした。

当然のことながら、巨大な輸送船で運搬しかなかったのですが、巨大とはいえ大量の気体を運搬するとなるととても非効率です。

そこで、気体である天然ガスをマイナス162℃にまで冷却(液化)し、その体積を1/600にまで圧縮して運搬する方法を採りました。

いわゆる液化天然ガス(LNG=Liquefied Natural Gas)です。

とはいえ、液化天然ガスを輸入し、精製し、供給し、商業ベースに乗せるまでには様々な課題がありました。

まずは輸送船やLNG基地など、あらゆる設備をマイナス162℃に耐えられるようにしなければなりません。

むろん、家庭用、業務用を含め各世帯のガス器具も天然ガス仕様に変更しなければなりませんし、国内供給に必要な幹線も整備しなければなりませんでした。

例えば、東京港埋立地14号地と袖ヶ浦を結んだ延長25kmの海底幹線(都市ガス輸送用のパイプライン)の敷設などは、当時としては世界にも類例がなかったといいます。

今日もそうであるように当時もそうでしたが、あれだけ船舶航行が多い東京湾で、敷設船を浮かべそこでパイプラインを組み立て、その敷設船の後を追うようにして掘削船が航行して海底に穴を彫り、さらにその後を土砂運搬船が航行してパイプラインを埋める。

さらにその後を、ならし船が航行して海底をならす。

海底幹線が完成したのは1975年です。

それはそれは、すごい工事だったようです。

また当初の東京ガスの輸入量は24万トンの計画だったのですが、その輸入量では採算に合わず石油よりもコスト高になってしまうため、1966年6月、発電用に東京電力が年間72万トンを東京ガスとともに輸入するという契約を締結しました。

それによって誕生したのが、世界初のLNG専焼火力発電所となった横浜市根岸の「南横浜火力発電所」です。

1970年に1号機が運転をはじめ、のちに3号機までが建設されました。

現在においても、東京電力がLNGを調達した上で、隣接する東京ガス根岸LNG基地に気化作業を委託しています。

やがて、1998年には東京ガスも扇島にLNG基地を整備し、その沖合にはシーバース(海上に浮かぶ桟橋)が建設されました。

こうした現場のご努力が実って、それまで5,000kcal(首都圏)だったガスの熱量は、その約2.2倍の11,000kcalになって都市ガスの利便性を高めたのです。

即ち、先人たちの投資、投資、投資によって、私たち日本国民は便利で安全な都市ガスを利用できるようになったわけです。

さて、本年の日本経済は、働き方改革に伴う所得減、五輪需要の終焉、国際情勢の不安定化等々によって「リーマン・ショック」の際と同じぐらいのGDPの落ち込みが予測されています。

また、10月には消費税増税(8%→10%)も予定されています。

下のグラフのとおり、1990年代以降の我が国の民間設備投資(前年比)をみてみますと、消費税増税と経済危機がそれぞれに企業投資を抑制していることがわかります。

消費税増税と経済危機の影響というダブルパンチによって、来年は大幅な「投資減」が見込まれるのでしょうか。