〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 02 政治・経済

実質賃金とアベノミクス2018/12/20    

10月の実質賃金(速報値)は、前年同月比でマイナス0.3%でした。

ちなみに、9月の実質賃金の速報値はマイナス0.2%でしたが、確定値でマイナス0.7%に変更されましたので、10月の確定値も下方修正される可能性があります。

実質賃金とは、労働者が労働によって獲得した賃金(名目賃金)で、どれだけのモノやサービスの購入が可能であるのかを示す値です。

ざっくり言って、「名目賃金=額面賃金」と思っていただいて結構です。

たとえ支給された賃金(名目賃金)が5%上昇しても、世の物価(モノやサービスの値段)が8%上昇してしまうと、実質賃金は低下していることになります。

実質賃金の算出式は次のとおりです。

実質賃金の変化率 = 名目賃金の変化率 − 物価変動率

よって、どんなんに名目賃金が上昇しても、そのスピードが物価上昇率に追いつかないのであれば、実質賃金は低下します。

実質賃金の低下は、国民の貧困化を意味します。

さてその一方で、「アベノミクスの効果で就業者数が増えているんだから、実質賃金(平均賃金)が下がったって当たり前じゃないか」という意見も巷には散見されます。

ネット上でこの種の主張をされている方のほとんどが匿名なのが残念。

まるで草陰から小石を投げて走り逃げ去っているようで…

まず、就業者数が増えているのはアベノミクス効果というより、人件費を上昇させたくない企業がパートタイム労働者や非正規労働者を増やしてきた結果ではないのか。

とりわけ、パートタイム労働については、その数が増えたとはいえ彼ら彼女らの総実労働時間は減っています。

一般労働者(パートタイム労働者以外)を含めて実質賃金が下落し、増えたとされるパートタイム労働たちも思うように労働させてもらえない。

これで「経済政策は旨くいっている」と言えるのでしょうか。

また、実質賃金は労働者が生産したモノやサービスの「販売個数」で決定します。

ここでいう「生産した」とは「GDPになった」という意。(生産しても売れなかったらGDPにならない)

つまり、労働者一人あたりの販売個数が減れば実質賃金の低下、増えれば実質賃金の上昇です。

どんなに就業者数が増えたとしてもモノやサービスの販売個数が減少しているのですから景気が良いわけがなく、即ち、働き手が増えても売上が減っているわけですから実質賃金が上昇するはずもない。

このように言うと、「でもぅ、GDPを数量で示した実質GDPはプラスになっているじゃないかぁ〜」と言われそうなので補足していおきます。

GDPを数量で示す「実質GDP」が上昇しているのは、デフレ経済でインフレ率(GDPデフレーター)が低迷しているからです。

これはGDP統計の欠点で、デフレにより物価(インフレ率)が下落してしまうと、統計計算上、実質GDPだけが上昇するようになっています。

なぜなら、実質GDPは直接的に統計を確認することができず、確認可能な名目GDPを確認可能なGDPデフレーター(物価上昇率)で割返すことで実質GDPを算定しています。

実質GDP = 名目GDP ÷ GDPデフレーター

実質GDP、名目GDP、GDPデフレーター、それぞれマイルドに上昇し続けてこそ、真っ当な経済です。

そのときはじめて、実質賃金が正しい形で上昇し「アベノミクスは成功した」と言えるのではないでしょうか。