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議会報告 政治・経済

財政健全化(=緊縮財政)で小国化する日本2018/12/17    

ロイターによれば、来年度(2019年度)の政府の国債発行計画は概ね固まり、入札を通じて市中発行する国債総額は129.4兆円だそうで、今年度(2018年度)比で4.8兆円の減となります。

一方、来年度予算における社会保障費の伸びを4,800億円以下に抑える方向で最終調整に入っているとのこと。

高齢化に伴う社会保障の自然増を、厚生労働省の当初見込みよりも約1,200億円減らすことになります。

その主な抑制策は、①高所得の会社員が払う介護保険料の引き上げ、②薬の公定価格の引き下げなどで、約5,000億円で推移した16~18年度を下回る水準にするとのことです。

凄まじき「緊縮」です。

国債発行枠の縮小も、社会保障費の抑制も、その大義はもちろん「財政健全化(=PB黒字化)」です。

ちなみに、PB黒字化を「財政健全化」の定義にしている国は我が日本国政府でだけです。

「財政健全化」の国際的な定義は、あくまでも「政府債務残高の対GDP比低下」です。

国際的標準の定義に基づけば、財政拡大によりGDP(名目)を拡大することで政府債務残高の対GDP比を低下させることが可能なのですが…

残念ながら今の日本では、国も地方も「緊縮財政」そのものが目的化しています。

とりわけ国債発行枠の縮小は、またまた量的緩和を行っている日銀を追い詰めることになるでしょう。

日銀は民間銀行が保有する国債を市場で購入することで日銀当座預金(民間銀行が日銀にもつ当座預金)を積み上げています。

それにより民間銀行の貸出しが増えてデフレを脱却できるという理屈なのですが、むろん思惑通りにはいっていません。

さて、既に発行された国債の半分ちかくを日銀が保有しています。

長期資金を何らかの安全資産で運用しなければならない民間銀行にしても、これ以上、国債という安全資産を日銀に売るわけにもいきません。

生損保や年金運用機関は、そのビジネスモデルを壊してまで日銀に国債を売ってくれるとも思えません。

よって、「量的緩和の強制終了」の可能性が更に高まることになります。

インフレ率が全くと言っていいほど上昇せず、実質賃金が低迷するデフレ経済のなかで、頼みの量的緩和(金融緩和)が強制終了を迎えることになるわけです。

そして、消費税増税(8%→10%)!

「働き方改革」とやらに伴う残業規制で、8.5兆円の所得減(大和総研試算)!

五輪需要の減退!

デフレ脱却どころか、デフレを更に深化させる要因のオンパレードです。

御代代わりの来年(2019年)は、波乱にみちた時代の幕開けになりそうです。

皮肉なことに我が国は「財政健全化(=緊縮財政)」によって小国化(発展途上国化)しています。