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議会報告 政治・経済

FMS輸入2018/12/09    

ロイターによれば、政府は防衛省の予算額を来年度(2019年度)から5年間で27兆円台にする方向で調整に入っているとのことです。

『防衛費総額、5年で27兆円へ
https://jp.reuters.com/article/idJP2018120801002066
政府は、今後の主要装備品を含む経費総額が示される次期中期防衛力整備計画(中期防)を巡って、2019年度から5年間の防衛予算総額を27兆円台とする方向で調整に入った。中期防単位では現行(14~18年度)の約24兆7千億円から2兆円超の大幅増となる。政府関係者が8日、明らかにした。(後略)』

記事の後半部を読むと、米国からの高額装備の輸入が嵩んでいくことが予測されています。

例えば、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」など。

防衛省の装備品等の輸入には、主として次の3つがあります。
① 一般輸入(商社などを仲介して購入する)
② 共同開発・生産(過去のライセンス生産に代わるもの)
③ FMS輸入(米国による有償の対外軍事援助)

昨今、我が国では③のFMS輸入による調達が急増しています。

※ FMS=Foreign Military Sales

前述のイージス・アショアもFMS輸入での調達ですし、あるいはF35のほか、早期警戒機E2D、迎撃ミサイルSM3などもそうです。

FMS輸入は米国政府が装備品・役務を販売するものですが、いくつかの弊害があります。

例えば、武器と共に「教育」や「訓練」等も一緒についてくるので一見割安にみえるのですが、役人仕事でサービスが悪く、未納、欠品、納期延期も多く、結局は高くつくことが多いと言われています。

何よりもFMS輸入が増えると、国内生産・技術基盤が弱体化します。

また当然のことながら、日米関係が緊密性を失ったときには米国から恣意的にカットされる恐れがあるため、我が国の対米従属度(属国度)が増していくことになります。

それにFMS輸入は、我が国には雇用や所得効果を一切もたらさず、独自での改善も不可能で、必ずしも最新のものを導入できるわけでもありません。

それでもFMS輸入を増やさざるを得ない状況なのでしょう。

悲しいかな純国産装備品は、生産量が限られているため試作品数も少なく、実験量、実戦経験も足りないことから今ひとつ信頼性に欠けることが難点とされています。

この問題を放置してきたツケが、今まさに装備品調達において大きな仇となっています。

なお省内には「共同開発・生産方式を増やすべきだ」という意見もあるようですが、大量生産経験の乏しい日本製武器と組みたいという他国企業も少なく、日本が主導して生産する武器は高性能であっても価格競争で負けてしまう可能性が高いので、これもまた困難でしょう。

実に悩ましい問題です。

その国の安全保障を強固にする「軍機の独立」の達成は、今の我が国においては夢のまた夢という状況です。

既に時遅しとはいえ、純国産装備品の生産量と実戦経験を増やす努力を惜しむべきではないと思います。