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議会報告 政治・経済

緊縮財政により漸減する自衛隊の実力2018/12/06    

新たな「防衛計画の大綱」を年末に閣議決定するため、政府は昨日(5日)、有識者会議を官邸で開き、その骨格案を提示しました。

骨格案では、厳しさを増す安全保障環境に対応するため「従来と異なる速度で防衛力を強化する」とされ、「優先事項」として宇宙・サイバー・電磁波領域での能力獲得や、人的基盤の強化などが掲げられています。

昨年の今ごろといえば、メディアは平成30年度(今年度)の防衛予算が過去最高になったことを大騒ぎで報じていました。

政府は「それは北朝鮮情勢の緊迫等の情勢変化によるものだ」と、言い訳がましく応じていましたが、実はそうではありません。

そもそも防衛行政(国防及び国際貢献)の基礎的需要が毎年のように拡大しているにもかかわらず、対GDP比でたったの0.9%程度の予算しか組めない状況が続いてきたわけですから、予算が多少増え、それが過去最高となったところで何に驚く必要があるのでしょうか。

過去最高とはいえ、対GDP比1%には遠く及んでいません。

現在のような「限られた防衛予算」を特に圧迫しているのは、過去に購入した整備品等のツケ払い(国庫債務負担行為による後年度負担)です。

ツケ払いと言っても、予算が恒常的に増えていかないのですから、予算に占める後年度負担比率が高まってしまうのも無理はありません。

とりわけ、古い装備品は故障回数も増えていきますので維持費用(メンテナンス費用)も余計に増加していきます。

現に、来年度(平成31年度)防衛省概算要求案5.1兆円のうち2兆円は後年度負担です。

その比率は年々増えています。

こうした予算の目減り分を、これまで人件費・食糧費・一般物件費の削減(スクラップ)で補ってきましたが、陸海空自衛隊とも、それらスクラップ財源を既に喪失しています。

特に人員不足は深刻のようです。

高い装備品に十分なヒトを付けられず(部隊定員が満たされず)、予算微増にもかかわらず、訓練も不十分となって、その実力は漸減しています。

皮肉にも、現在の自衛隊の敵は外敵による侵攻などではなく、ありもしない「財政破綻論」に怯える緊縮財政なのです。