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議会報告 川崎市政

「バラマキ」と言うのであれば「バラマキ」を定義せよ2018/12/05    

下記は、今日の日本経済新聞(電子版)に掲載されている記事です。

『公共事業 増税対策色濃く 優先順位の精査必要
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38531280U8A201C1EE8000/
相次ぐ大規模な災害は公共インフラの補修が課題であることを浮き彫りにした。必要な補修を怠れば命にかかわる恐れがあり、長く抑制してきた公共事業費は増額に向かう。政府は3年で3兆円超の対策費を見込むが、足元の支出には消費増税をにらんだ景気対策の色合いも濃い単なるバラマキにつながらないように、事業の優先順位を精査する必要がある。(後略)』

めずらしく「公共インフラの補修が課題だ」と言っています。

もともと公共事業を毛嫌いするような論調で知られてきた新聞社ですが、ここ数年、頻繁に発生している自然災害を受けて、さすがにその必要性を認めざるを得なくなったのでしょう。

しかしそのあと、例のごとく「その対策費が景気対策の色合いが濃く、単なるバラマキにつながらないように…」とつづく。

結局は、公共事業 ≒ 景気対策 ≒ バラマキ、という幼稚な発想から抜け出ることができない。

面白いのは、「公共事業は景気対策である」と認めつつも、それが「バラマキにつながる」という視点です。

では、彼ら彼女らの言う「バラマキ」の定義とは何なのでしょうか。

例えば、川崎市では今後、次のような大型公共事業が予定されています。
・国道357号線整備  1,095億円
・羽田連絡道整備  242億円
・京急大師線連立(東門前~鈴木町すりつけ) 720億円
・等々力陸上競技場2期整備(スタンド整備)  100億円
・南武線連続立体交差化事業  1,377億円
・橘処理センター 320億円
・等々力大橋整備事業 105億円
・本庁舎建替  437億円
・東扇島水江町線整備 540億円

これらの事業のどれが「バラマキ」に当たるのでしょうか?

ぜひ説明してほしい。

そこで、公共投資の事業効果について一例を挙げたい。

京急線の蒲田駅の連続立体交差事業は1,000億円以上の事業費を要しました。

まず、この1,000億円以上の事業費は、そのまんま1,000億円以上のGDPになります。(用地買収費を除く)

これがフロー効果です。

加えて、踏切がなくなり、街を分断する線路も高架化され、自動車などの交通流が円滑化されました。

即ち事業効果(GDP押上効果)が発揮されると、以後、数十年にわたって経済効果をもたらします。

これがストック効果です。

当然のことながら、GDPが増えると税収が増えます。

つまり、1,000億円以上の費用をかけたところで、フロー効果とストック効果を合わせれば、何年か経てば元がとれるという話です。

そうすると今度は「都市部への公共投資は効果的だけど、人口の少ない地方への公共投資はバラマキだ」と言い出す。

しかしながら話はまったくの逆で、人口の少ない地方だからこそ公共インフラ(とりわけ交通インフラ)の整備が必要で、例えば都市部との交通網のネットワーク化が求められます。

それにより、過疎化した地方の生活圏が近隣都市部の商業圏に組み込まれ、また過疎化した地方の商業圏が近隣都市部の生活圏を取り込むことが可能になります。

また、超自然災害大国である我が国においては、できうる限りの人口(集落)分散が必要です。

被災を免れた地域が、被災した地域を瞬時に救済できるようにしなければならないからです。

これを推し進めるのが国土強靭化(財政政策)です。

残念ながら、現在の我が国では、いたずらな「バラマキ論」が財政政策を萎縮させ国土強靭化とデフレ脱却を阻んでいます。

何をもって「バラマキ」と成すのか言葉をちゃんと定義してほしい。

定義しないままに公共事業批判を展開することこそ、まさに無責任だ。