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議会報告 川崎市政

外資に差し出される国民の水2018/12/03    

蛇口から出る「水」をまともに飲める国は、世界ではたったの16カ国しかありません。

その16カ国をざっと挙げると、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、アイスランド、アイルランド、フィンランド、スウェーデン、ドイツ、クロアチア、スロベニア、オーストリア、モザンピーク、UAE、南アフリカ、レソト…

…そしてもちろん、我が日本です。

ご承知のとおり、日本の水のクオリティは世界でも最高水準の上、しかも漏水率はたったの7%、なんと料金回収率は99.9%、全事業体で約2兆3,000億円(年間)の収入を上げるなど、運営サービスの点においても他国を圧倒しています。

一方、日本水道協会によれば、日本の月額水道料金の全国平均は3,228円で驚異的な安さです。

ちなみに、川崎市の月額平均は2,906円で、最高額は夕張市(北海道)の月額6,841円、最低額は赤穂市(兵庫県)の月額853円です。

こうした安価で安全な「水」を安定的に供給できるノウハウは、長年にわたり行政によって培われてきたもので(民間活力によってではない)、利益を目的としない「官」であればこそ成し遂げることができた偉業です。

ところが、市町村が運営する水道事業は全国で約3割が赤字、あるいは全事業体合計で約8兆円の負債を抱えていることをもって、「日本の水は危ない! だから民営化しなければ…」と言って、現政権は水道法を改正し、その運営権を外資に差し出そうとしています。

8兆円とはいえ、そもそもからして、この負債は明日にでも返済しなければならないような性質のおカネではありません。

行政は、上下水、道路、教育、介護、医療、緑地保全などなど、国民が生活するために必要とする様々なインフラを安価に供給する、いわば安全保障NPOです。(株式会社ではない)

しかも、通貨発行権を有する中央政府によって支えられているNPOです。

もしも「8兆円の負債が気に入らない」と言うのであれば、中央政府の子会社である日本銀行がその負債を買い取れば一瞬にして解決する話です。

べつに外貨建てでこしらえた借金ではないのですから。

例えば逆に、全事業体が8兆円の債権(黒字)をもっていたとしたらどうでしょう。

私たち国民は、もっと割高な水道料金を行政にせしめられることになります。

誤解を恐れずに言えば、行政は赤字先行でいい。

そうでないと、安定して経済を成長させることができません。

要するに、今の日本で水道事業を語るに、おカネの問題などさしたる問題ではないのです。

問題は老朽化している水道管を、“馬鹿げた緊縮財政論”によって更新していないことです。

高度成長期に整備が進められた全国の水道管は、約15%が法定耐用年数の40年を超えています。

しかしながら、その更新率はというと…

ご覧のとおり、経年変化率とは反比例して減少傾向にあります。

挙句の果てに、そのソリューションが…①水道事業の広域化(1,381の事業体を給水人口50万人以上に統合)、②コッセンション方式(運営権を民間企業に委ねる)だという。

バカも休み休み言ってほしい。

人口50万人以上を対象にした水道事業を運営できる民間企業など日本には存在しません。

詰まるところ、世界3大水メジャーのいずれかが受注することになるでしょう。

3大水メジャー
・ヴェオリア・ウォーター(フランス)
・スエズ・ウォーター(フランス)
・テムズ・ウォーター(イギリス)

しかしながら、世界的には今、民営化による様々な弊害が露呈して水道事業の再公営化が進んでいます。

例えば、パリでは民営化後25年間で水道料金が265%に跳ね上がり、米国(ミシガン州)では水質汚染の隠蔽事件が発覚し当時のオバマ大統領が非常事態を宣言したほどです。

また、ベルリン市は再公営化にあたり、民間会社に対する違約金が発生してしまい、1,600億円を30年間で水道料金に上乗せしなければならないという事態に至っています。

このように、一旦民営化されてしまうと始末に負えなくなります。

残念にも我が国は、周回遅れで水道事業を民営化しようとしています。

管路の更新は、ふつうに公共事業として行えばいい。

我が国に、深刻な財政問題など存在しないのだから…