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議会報告 政治・経済

G20首脳宣言に変化の兆し !?2018/12/02    

ブエノスアイレス(アルゼンチンの首都)で開かれていたG20首脳会議が閉幕しました。

採択された首脳宣言をみますと、「自由貿易の重要性」「保護主義化の懸念」というお約束のグローバリズム称賛の文言が見当たらず、昨年の首脳宣言に比べるとだいぶ趣が変わったような印象です。

とはいえ、しっかりと「構造改革の役割」について明記されているあたりは相変わらずですが…

構造改革とは、詰まるところ、カネ・ヒト・モノの国境を超えた自由を最大化することで、グローバル企業やグローバル投資家たちに利益をもたらすグローバリズム政策です。

そのトレードオフとして、とりわけ先進諸国では、実質賃金の低下、治安の悪化、各種公共サービスの質的低下などがもたらされます。

即ち、グローバリズムの最大の被害者は先進国の中間層なのです。

上のグラフは、いわゆる「エレファント・グラフ」(ミラノビッチ・ブランコ作成)です。

グラフの見方は、横軸が全世界の所得分位で、一番左側がアフリカなどの最貧困層、一番右側が超カネ持ちです。

一方、グラフの縦軸が、この20年間(1988-2008)における各所得分位の所得増加率です。

グラフ中にある「A」の部分は主として新興国の労働者、「B」の部分が先進国の労働者、「C」の部分が超富裕層(グローバリストたち)です。

折れ線グラフが「B」から「C」にかけて象さんの鼻のように上がっていることから、エレファント・グラフ(もしくはエレファント・カーブ)と言われています。

むろん最も所得が増えていない(一部マイナス)所得分位の「B」こそが、日本、米国、西ヨーロッパなどのいわゆる「中間所得層」たちです。

というか、既にかつてのような中間所得層ではなくなっています。

洋の古今東西を問わず、中間層の分厚い社会においてこそ、経済と治安が安定的に維持されてきました。

ブレグジットをはじめ移民政策に端を発したEUの混乱、あるいはトランプ米大統領や保護主義の台頭は、まさに行き過ぎたグローバリズム(構造改革)の結果です。

閉幕したブエノスアイレスG20の首脳宣言において、めずらしく「保護主義との闘い」が明記されなかったのは、行き過ぎたグローバリズムがもたらしてきた負の遺産をいよいよ各国が無視できなくなってきたことの兆しではないでしょうか。

もしもそうだとすれば、日本だけがその空気を読めず、未だ構造改革(グローバル化)に邁進しています。

出入国管理法改正しかり、水道法改正しかり、電力事業の発送電分離しかり、種子法廃止しかり、農地法改正しかり、外国人専用医療ツーリズムしかり・・・