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議会報告 02 政治・経済

将来不安の元凶は、デフレ2018/11/17    

巷には「消費税を増税すれば、将来不安が払拭されて消費が拡大する」という説があります。

…そんな馬鹿な!

「消費税増税 → 将来不安が払拭」に至る経緯がよく解りません。

そもそも消費税は消費に対する罰金税です。

消費税の税率を上げて、どうして消費が拡大するのか。

おそらくは、増税すれば財政が健全化され、財政が健全化されれば将来不安が払拭される、という理屈なのでしょう。

しかも、ここでいう「財政の健全化」とは、いわゆるプライマリーバランス(基礎的財政収支)の単年度黒字化を指すのだから益々もって質が悪い。

プライマリーバランス(基礎的財政収支)とは、その年の行政費用(借金返済費を除く)をその年の税収だけですべて賄うという考え方です。

※プライマリーバランス = 基礎的財政収支、以下「PB」

PBは、行政費用を税収が上回れば黒字、税収が下回れば赤字です。

要するに「PBの黒字を維持しろ」ということは、「ローンを組まず毎月のお給金の一部を積み立て、それが貯まってからマイホームを建てなさい」と言っているに等しい。

ローンを国債に、マイホームを公共事業に例えれば解りやすかと思います。

つまり、一定のおカネが貯まるまでは、例えば防災インフラなどは一切できません。

むろん、その最大の犠牲者は国民です。

この「PBの単年度黒字化」を財政再建の定義にしている国は、国際的にも稀で日本くらいのものです。

財政再建の国際的な定義は、PB黒字化などではなく「政府債務残高の対GDP比率の低下」です。

そりゃあそうでしょう…国債を発行できなければ、防災インフラどころか通常のインフラ施設の更新すらできません。

現在、日本のそれ(政府債務残高対GDP比率)は確かに200%を超えていますが、日本銀行による量的緩和(日銀による国債回収)によって実質的な政府債務は縮減しています。

日本国民の皆様におかれましては、ぜひ次の事実を知って頂きたい。

日本銀行が買い取った国債に対し、日本政府に実質的な返済義務はありません。

事実、日本政府は国債を保有する日本銀行に対して元利金を支払っていますが、受け取った日本銀行は国庫納付金として日本政府にお返しして相殺されています。

相手が日本銀行であれば「日本政府に実質的な返済義務などない!」というのはそういうことです。

下のグラフのとおり、日本銀行が保有している国債を除いた政府債務残高対GDP比率は118%(2017年度)です。

2016年度の122%から更に縮小しています。

即ち、増税なんかしなくとも、既に財政再建は進んでおります。

では、将来不安は払拭されたのでしょうか?

消費は拡大したのでしょうか?

相も変わらず、デフレ(総需要の低迷)が続いています。

1998年に日本経済がデフレに突入して以降、歴代内閣は怠慢にもデフレを放置してきました。(小渕内閣、麻生内閣は別)

デフレを放置すると、生産性向上のための投資が起きません。

ゆえに生産性が低下します。

生産性の低下を放置すれば、徐々に需要を充たすための供給能力が毀損されてゆきます。

そして高齢化の負担増加が所得の増加を上回って国内貯蓄を減らしていくことになり、経常収支も赤字化して債務超過国となることでしょう。

よって、このデフレの放置こそが将来不安の元凶です。

ソシエテ・ジェネラル証券の会田卓司チーフエコノミストがご指摘されているとおり、必要なのは国内企業の資金需要を拡大させるための財政拡大策です。

政府が財政支出を拡大すれば、下のグラフでいうところの企業貯蓄率(対GDP比)が低下しネットの国内資金需要が拡大します。

そこにデフレ脱却の出口があります。