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議会報告 政治・経済

「池上解説」を解説する2018/11/07    

池上彰さんが政治経済を解説する例の番組で、あるゲストタレントさんが池上さんに次のような質問をしていました。

「国の借金と言うけれど、政府は誰からおカネを借りているんですか?」

さて、池上さんはどのようにお答えになられたでしょう。

「…国民の銀行預金からです」(池上彰)

正直、びっくりしました。

池上さんのような博学なジャーナリストであっても、意外と経済や財政を知らないんですね。

池上さんのような立派な方が、TVという公共の電波を通じてこのように発言すれば、視聴していた国民のほとんどは「やっぱりそうなのか!」と信じ込んでしまうことでしょう。

このようにして、誤った知識と事実が世を流布していくわけです。

結果、ますます日本の政治・経済・社会を悪化させることになります。

なんと罪深いことか。

断言します。

政府が借りているのは、国民の預金ではありません。

では、政府はどこからおカネを借りているのか?

民間銀行の当座預金です。

政府は、民間銀行が日銀(中央銀行)にもっている当座預金からおカネを借りています。

因みに、その当座預金は国民が銀行に預けている預金とは関係がありません。

民間銀行は、国民から集めた預金とは関係なしに政府や民間(企業・個人)におカネを貸し出すことができるんです。

政府が発行する国債を民間銀行が引き受けると、政府が日銀にもっている当座預金におカネが移動します。

政府はそれを使って様々な事業を行います。

その際の支払い手段は、政府小切手になります。

例えば、政府が国債を発行して公共事業を行う際の決済の流れを概念化すると次のような図になります。

1.政府が国債を発行し、それを民間銀行が購入すると、民間銀行の当座預金から政府の当座預金におカネが移動します。

2.政府は、政府の当座預金を使って民間企業に公共事業費を支払うわけですが、そのときの決済は「政府小切手」です。

3.企業は社員や下請け事業者への支払いを「政府小切手」で決済するこはできませんので、「政府小切手」を民間銀行で通常の預金に変えてもらいます。

4.民間銀行もまた「政府小切手」を政府(日銀)に持っていきます。

5.そうすると政府の当座預金から民間銀行の当座預金におカネが戻ってくるわけです。

要するに、政府の当座預金と民間銀行の当座預金との間でおカネが行ったり来たりしているだけなのです。

これが政府による国債発行と財政支出のおカネ(決済)の流れです。

このサイクルを繰り返すことで、国民生活を守るための様々な公共インフラが構築されていくわけです。

信じがたい事かもしれませんが、民間銀行が政府や企業や個人におカネを貸し出すことで新たなおカネが生まれています。

突き詰めていくと、新たなおカネの原資は「政府による国債発行」なのです。

これが池上彰さんも知らない、おカネの真実です。