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議会報告 政治・経済

議論の“すり替え”が懸念される移民政策問題2018/11/04    

案の定、外国人労働者の受け入れ問題が、既にメディア等ではいかにも「人権問題」であるかのように論じられはじめています。

「いかなる外国人であっても受け入れられる多様性と寛容さが日本には必要だ」「もっと日本は多文化共生の観点にたち未来志向になるべきだ」みたいな。

つまり、外国人労働者の受け入れに対する「反対論」が、まるで「外国人排斥論」であるかのようにすり替えられています。

私は、外国人労働者の受け入れ政策に反対するものです。

とはいえ、その理由は、けっして外国人排斥感情などではありません。

人手不足の解消政策は、全産業における…
① 資本装備率の向上
② 人手不足分野の給与引き上げ
…をもって為されるべきだ、ということを主張しています。

建設、介護、農業、対人サービスなどの分野で人手が不足しているのであれば、まずは全産業の資本装備率を向上させ、その結果として労働生産性(一人あたりの仕事量)を向上させることができれば、人手の不足する他の産業への人材供給が可能です。

なお、その前提として、とりわけ介護分野などの給与の引き上げが必要です。

ご承知のとおり、介護分野などでは、その資格を持ちながらも現場で従事していない方々が大勢(4割以上)おられます。

従事率が低い理由は様々でしょうが、まずは給与など待遇面での改善が急務です。

こうした状況を放置したまま、すなわち生産性向上策を採らないままに、本格的に外国人労働者の受け入れ政策を採ってしまったら、せっかくの人手不足で生じている日本国民の供与を引き上げるチャンスが失われてしまします。

その企業の有形固定資産を労働量で除したものを「資本装備率」(労働装備率)といいます。

この資本装備率が高ければ高いほど、その企業の生産設備や技術力は充実し、より少ない人手で利益を向上させることが可能となり、従業員一人あたりの給与水準を引き上げることができるわけです。

下のグラフのとおり、我が国の資本装備率は、1998年以降のデフレ経済によって下がり続けて、高まる気配をみせません。

いま起きている人手不足は、こうした企業の資本装備率を引き上げる絶好のチャンスです。

しかしながら、ここで外国人労働者(低賃金労働者)を大量に受け入れてしまうと、国内企業による設備投資や技術開発投資が行われず、結果、日本国民労働者の給与(実質賃金)は引き上がるどころか、さらに引き下がってしまいます。

いま政治に求められているのは、外国人労働者を受け入れる政策ではなく、企業の資本装備率を引き上げさせる政策です。

そのことが日本国民の給与を引き上げ、ひいては日本経済をデフレから脱却させるものと確信します。

いま政府が行おうとしている「外国人労働者の受け入れ政策」は、もはや「外国人労働者の受け入れ」などではなく、明らかな「移民政策」です。

因みに、今朝の報道番組で、自民党の岸田政調会長が「国際的には明確な移民の定義はない」と発言されていたので驚きました。

なにかの誤解かと思われます。

国連は移民の定義を「出生あるいは市民権のある国の外に12カ月以上いる人」とし、OECDは「国内に1年以上滞在する外国人」を移民の定義としています。