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議会報告 政治・経済

財務・厚労の空しき論争2018/10/17    

政府最終消費支出とは何か?

例えば、政府最終消費支出の一つに「保健」という消費(需要)項目があります。

国民が病院に行って医療サービスを消費した際、私たち国民は医療費の一部しか支払いません。

残りの支払い分は誰かが負担してくれています。

さて、いった誰が残り分を負担してくれているのでしょうか。

ずばり「政府」です。

国民が消費した医療サービスの政府負担分が、「政府最終消費支出」として計上されています。

医療サービスだけでなく、一般的な行政サービス(戸籍管理・住民票の発行・各種インフラ施設整備ほか)、警察サービス、消防サービス、防衛サービス、環境保全サービス、教育サービスなどなど、私たち日本国民は政府を通じて様々な消費(需要)活動を行っています。

要するに、政府最終消費支出の「消費者」は、政府という組織体ではなく私たち「国民」なのです。

そもそも政府は経世済民を目的とした、いわば安全保障NPOであって人間ではありませんので消費などできません。

さて、この20年間、デフレで民間最終消費支出が伸び悩んでいるなか、皮肉にも我が国の需要を支えてきたのは政府最終消費支出です。

政府最終消費支出(以下、「政府支出」)の内訳をみると、国民が利用する医療関係費を主とする「保健」が全体の4割を占めています。

「保健」の内訳:医療用品、医療用器具・設備、外来サービス、病院サービス、公衆衛生サービス、医療に係るR&D、ほか…

国民経済の鉄則として、誰かの支出(需要)は、必ず誰かの収入(所得)です。

よって、政府による支出であっても、支出されたおカネは必ず誰かの所得になっています。

その意味で、高齢化及び医療手段の高度化により医療費が増え続けてきたことが、デフレに苦しむ日本経済を下支えしてきたと言えます。

むろん、国民一人ひとりが病気にならないことが最も重要ですが、仮に病気になったとしても、しかるべき医療サービスがきちんと供給され、それを遍く国民が需要(消費)できる社会こそが経世済民国家ではないでしょうか。

これらのことを前提に踏まえますと、下の記事のごとき財務省と厚労省の論争が空しく聞こえてきます。

『医療費削減、予防医療は役立つか 財務・厚労が「入り口」論争
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36433480S8A011C1000000/
膨らむ社会保障費の抑制を巡り、財務省と厚生労働省の間で新たな論争が起きている。テーマは予防医療が医療費の削減につながるか。高齢になっても健康を維持できれば医療費がかからなくなると主張する厚労省に対し、財務省は「むしろ増大させる」との見解を持ち出し疑問視している。(後略)』