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議会報告 川崎市政

病床は日本国民の公共財2018/10/09    

葵会という医療法人が、本市川崎区内で「外国人向け医療ツーリズム病院」(病床:100床)を開設しようとしてます。

現在は、開設許可申請の提出先である川崎市当局との事前相談が行われています。

例え当該病院が外国人向けであったとしても、その病床100床は本市医療圏の「既存病床」としてカウントされてしまうことから、開設されてしまうと既に過剰病床となっている本市の地域医療に与える影響は甚大です。

いつも申し上げておりますように、今後、我が国では地方ほど高齢化率(65歳人口が占める割合)は高くなるのですが、逆に沖縄県を例外として東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)など大都市を有する府県では高齢化スピード(65歳以上人口割合の増加率)が高くなっていきます。

とりわけ、下のグラフのとおり、区別で本市の高齢化スピードをみますと、宮前区、麻生区、多摩区など北部医療圏のスピードは半端でありません。

こうした中で、とりわけ高齢患者が必要とする“療養病床”の「自己完結率」(その地域の患者さんをその地域の病院で受けれることのできる確率)を向上させていくためには、これ以上の病床不足は許されません。

残念ながら現在、本市には南部と北部の二つの医療圏がありますが、いずれも療養病床の「自己完結率」が実に低い地域です。

であるにも関わらず、日本国民たる川崎市民の貴重な公共財である病床が外国人むけ病院のために奪われていくことには私はどうしても合点がいきません。

過日の当局の答弁によれば、仮に当該病院が保険診療対象病院にならない病院であっても、構造設備・人員要件などに適合していれば、川崎市(市長)としては開設の許可を与えざるを得ないという状況です。

もしも、どうしてもこのような外国人向けの病院を開設されたいのであれば、せめてその100床を既存病床から外すか、もしくは基準病床を増やすかの措置が必要です。

そこで私は、過日(10月5日)開かれました「決算審査特別委員会:総括質疑」で質問に立ち、当局に対し次のように提案をしました。

「国(厚生労働省)と交渉して、その条件(100床を既存病床から外すか、その分の基準病床を増やすか)が満たされないかぎり、開設をご遠慮いただくことを事前相談の段階で葵会さんに指導すべきである」と。

なおそれは、本市が葵会さんに「開設許可」を出す前に結論を出すべきである…とも。

それに対する当局の答弁は、「早期に確認ができるよう、県や国との協議を速やかに進めて参りたい」というものでしたが、もしかすると国(厚生労働省)は「検討します」とか言って即答を避け、回答の引き延ばしを図る可能性があります。

そのとき、見切り発車で本市が葵会さんに「開設許可」を出してしまったらアウトです。

ここは「負け裁判」をも覚悟して、基準病床の増床(もしくは既存病床にカウントしない)の確約を国から取り付けるまで葵会さんに開設許可を出さない、という覚悟で臨んでもらいたいと思います。

この問題は、川崎市だけの問題ではありません。

全国で初のケースとなるこのような病院がいとも簡単に開設されてしまうことになれば、今後、全国各地で同様の病院が次々と開設されることとなり、やがては国民皆保険制度を形骸化させ、かつ我が国の地域医療を崩壊させかねません。

全国の皆様、ぜひお力をお貸しください。

本日(10月9日、AM10:00~)開催されます「川崎市議会・健康福祉委員会」において、当該問題に関する当局からの説明があるとのことです。

改めて当局に対し、国民医療を守る観点からの質問を行いたいと思います。